アラブ首長国連邦(UAE)進出の法務

第3回 知的財産法制とその実務

国際取引・海外進出

目次

  1. UAEにおける知的財産権保護の状況
  2. 商標権
    1. 商標権の権利概要
    2. 商標権の特徴
    3. 商標出願の手続
    4. 商標権の侵害に対する救済手段
  3. 特許権と実用新案権
    1. 特許権と実用新案権の権利概要
    2. 特許権と実用新案権の特徴
    3. 特許出願の手続
  4. 意匠権
    1. 意匠権の権利概要
    2. 意匠権の特徴
    3. 意匠権の出願手続
  5. 著作権
    1. 著作権の権利概要
    2. 著作権の特徴
  6. おわりに

UAEにおける知的財産権保護の状況

 UAEにおける知的財産保護の歴史は新しく、1992年に、UAE連邦特許・意匠法(1992年連邦法No.44)、UAE連邦著作権法(1992年連邦法No.40)、UAE連邦商標法(1992年連邦法No.37)といった知的財産法制が導入されたことがその始まりです。その後法律は改正され、わずか約25年の間に知的財産権侵害に対する救済実務も進歩を遂げてきました。しかしながら、依然として多くの侵害品が市場に出回っていると報道されており、我が国と比較して知的財産権の保護が十分であるとは言えません。UAEへの進出を検討する際、知的財産権の保護状況について把握しておくことは、自社のブランドや技術を保護するためにも重要です。
 本稿においては、特に商標権を中心に、知的財産法制の概要および救済実務について解説します。

商標権

商標権の権利概要

 UAE連邦商標法上、商標とは、名称、単語、署名、文字、形、図、表象、題、税スタンプ、印影、絵、刻印、広告、パックその他マークまたはその組み合わせによって識別可能な標章で、現在使用されているまたは使用する意図のある、商品、製品または役務を識別する標章、もしくは、商品または製品が製造、選別または取扱という観点からその標章のオーナーによって所有されていることを示す標章、または役務のパフォーマンスを示す標章のことをいいます(UAE連邦商標法2条)。
 以下の場合には、商標登録は認められません(以下の条文はUAE連邦商標法)。

3条1号 何ら識別可能な特徴または資産をもたない標章、もしくは伝統的な商品、製品または役務についての単なる名称にすぎない標章、もしくは商品、製品と類似の図面および通常の絵にすぎない標章
3条2号 公の道徳に違反するまたは公の秩序を害する標章
3条3号 UAE、アラブまたは国際組織、もしくはこれらの機関、もしくは外国に関する標章、旗および他の表象、またはこれらの標章、旗、表象の模倣品
ただし、正当な承認を受けている場合は除く
3条4号 赤新月社または赤十字および他の類似表象やそれらを模倣した標章
3条5号 純粋に宗教的な表象と同一または類似の標章
3条6号 使用することにより、商品、製品または役務の供給源または製造元に混乱を生じる可能性のある地理的名称
3条7号 第三者の氏名、写真または標章
ただし、同人の事前の同意が得られている場合は除く
3条8号 商標登録申請者が、自身が法律上の権利者であると証明できない場合のその標章
3条9号 公衆を誤認させるおそれのある標章、製品または役務の供給源または製造元、または、その他の性質について虚偽のデータを含む標章、もしくは、架空、模倣または偽造された取引名称を含む標章
3条10号 その取り扱いを禁止されている自然人または法人に所有されている標章
3条11号 特定の区分への製品または役務の登録が、その標章によって識別される他の製品または役務の価値を減少させる場合の標章
3条12号 以下の単語またはフレーズを含む標章、もしくは類似の単語またはフレーズを含む標章
“Privilege”,“Privileged”, “Registered”, “Registered drawings”, “Copyright”, “Imitation is forgery”
3条13号 自国または外国の装飾品、貨幣および紙幣
3条14号 著名な標章または以前に登録された他の商標の変形と考えられる商標
ただし、その登録した標章によって識別される商品または類似商品によって消費者の混乱を生じる場合に限る

 商標権者は、第三者が、一般消費者を誤認させる態様で、その商標登録の対象となる商品または役務と同一、類似または関連する商品または役務を他と識別するため、同一または類似の商標を使用することを防止する権利を有します(UAE連邦商標法17条)。

商標権の特徴

(1)商標権の登録期間

 商標権の登録期間は10年間で、更新が可能です(UAE連邦商標法19条)。商標権者は、登録の最終年に商標権の更新手続きをすることが可能で、更新後の登録期間は10年間です。商標権の更新手続きがなされない場合、登録期間経過後1か月以内に商標権者にその旨通知され、登録期間経過後3か月以内に更新手続きがなされなければ、商標権は消滅します。

(2)商標権の有効性と第三者の対抗手段

 登録後5年間にわたり商標を継続使用した場合、その商標権の有効性は絶対的なものとなります(UAE連邦商標法17条)。異議のある第三者としては、登録された商標の取消請求を行うか、もしくは、権利者からの請求に対して先使用の抗弁を主張することが考えられます。しかし、UAE連邦商標法には先使用権に関する規定が存在しないため、かかる抗弁が認められるか否かは不明確です。

(3)害意を持った出願の取り消し

 商標権の対象となる標章の先使用に関連し、出願人が第三者の先使用の事実を知りつつ害意を持って出願した場合には、取り消される場合があります。UAE連邦商標法21条によれば、違法に」商標権が登録された場合には、登録されたその商標権は取り消されます。悪意の出願の場合と明記されているわけではありませんが、先使用者が出願人の害意を立証した場合には、取り消される可能性は十分にあると考えられます。

(4)GCC統一商標法との関係

 湾岸協力理事会Gulf Cooperation Council:GCC)地域における統一的な商標制度という概念に基づき、GCC統一商標法が公表されています。1987年に初めてGCC統一商標法が公表され、その後2006年、2013年に改正がなされました。このような名称にもかかわらず、この法律によってGCC内で商標出願や登録が単一のものとなるわけではなく、依然として、各国において個別に出願および登録をすることが必要です。
 実際に同法律が各加盟国を拘束するためには、各加盟国における条約への採択、国内法による承認および官報への掲載が必要であり、2013年改正については、現時点でUAEにおいては必要な手続がなされていません。
 その主たる特徴としては、新たな類型の商標を認めていること、複数の区分への商標出願が可能であること、有名商標に特別な保護を与えていること等が挙げられます。上記のとおり、現時点でUAEにおいて効力が生じてはいませんが、今後の動向について留意が必要です。

商標出願の手続

 出願に際しては、出願書類に出願人の特定情報、商標の簡単な説明、区分等を記載する必要があります
 商標出願がなされると、商標局において、審査が開始されます。必要な書類が提出されているか等の形式審査をクリアすると実体審査が開始されますが、そこでは、すでにその商標が登録されていないか、UAE連邦商標法3条に記載された事由に概要しないか等が審査されます。
 商標局は、審査後、承認または拒絶についての通知を出願者に送付します。
 商標局の決定に不服がある場合には、商標委員会に異議申し立てをすることができ(UAE連邦商標法12条)、さらに、商標委員会の決定に不服がある場合には、管轄の裁判所に提訴することが可能です(同条)。
 承認された場合には、商標雑誌および日刊新聞二紙に公告されます(UAE連邦商標法14条)。これに対し、利害関係を有する第三者は、異議申し立てをすることができます(同条)。
 異議申し立てがない場合、または、異議が認められない場合に、その商標は登録されることとなります。

商標出願手続の概要

商標権の侵害に対する救済手段

(1)行政手続

 ドバイ首長国においては、ドバイ経済開発局Department of Economic Development , Dubai:DED)に対して申立書を提出すると、書類の審査を経た上で、DEDによる調査が開始されます。DEDの職員が実際の倉庫等に捜索に入り、侵害品が見つかった場合にはそれらを押収します。その後、正式に侵害品であると判断した場合には、当該侵害品の押収や罰金などの罰則が科されることになります。

(2)税関による差し止め

 外国から製品が輸入される場合には、税関における通関が必要となりますが、あらかじめ税関に商標を登録することで、模倣品の輸入を差し止めることが可能です。登録された商標について、通関の際に、税関職員が調査し、侵害品であると判断した場合には、上記DEDの場合と同様の措置が採られることになります。

(3)刑事手続

 UAE連邦商標法上、公衆を誤信させる態様で登録商標を偽造することは刑罰の対象となっています(UAE連邦商標法37条)。また、UAE連邦刑法上、模倣品の製造は刑罰の対象となっています(UAE連邦刑法216条)。また、模倣品と知りながらその模倣品を使用する行為も刑罰の対象です(UAE連邦刑法222条)。しかし、仮に刑事罰としての罰金が科されたとしても、損害額は低く、行政措置に比べて有効な手段であるとは言えません

(4)民事手続

 民事訴訟によって損害賠償を求める事後的な救済方法です。しかし、UAEの裁判所に知的財産を専門的に扱う部署は存在せず、どこまで救済が認められるかは不透明です。

特許権と実用新案権

特許権と実用新案権の権利概要

 特許権の対象となる発明とは、技術的な問題について、現実的な解決策を導く製品、製造方法もしくは既知の製造方法の適用方法に関連する革新的なアイデアのことをいいます(UAE連邦特許・意匠法1条)。
 また、実用新案権は、特許権が承認されるほど十分な知的成果が認められない発明がその対象となります(同条)。

 ただし、以下の場合には特許権・実用新案権の登録は認められません(以下の条文はUAE連邦特許・意匠法)。

6条a 植物種、動物種または動植物を生産する生物学的方法
ただし、微生物法およびその製造物は除く
6条b 人間および動物に必要な診断手法、治療または外科手術
6条c 科学的・数学的法則、発見または手法
6条d ビジネス、精神的活動またはゲームのガイド、規則または方法
6条e 公共の秩序またはモラルを侵害する発明

 特許権者は、以下の権利を有します(以下の条文はUAE連邦特許・意匠法)。

15条1項a
  • 製品の製造、使用、または販売を通じて、その発明を利用する権利
  • 発明が工業製品または特定の製品の製造方法である場合、その製品または方法を使用する権利
  • 発明が製品の場合、特許権者の承諾なく第三者がその製品を製造、使用、保持、販売または輸入する行為を禁ずることができます
  • 発明が工業的方法である場合、特許権者の承諾なく第三者がその方法およびそれにより直接製造された製品を使用すること、ならびにその製品を使用、保持、輸入することを禁ずることができます
15条1項b 新たな方法または公知の工業技術の適用について特許証または実用新案証が発行された場合の、その方法を使用する権利およびその方法により直接取得された製品に関して(a)で規定される権利

特許権と実用新案権の特徴

(1)特許権と実用新案権の有効期間

 特許権は出願から20年間、実用新案権は出願から10年間有効です。権利者は出願日の翌年から毎年登録料を支払わなければならず、この支払いが3か月間なされなかった場合、さらに3か月の猶予期間が与えられ、その間に増額された登録料を支払うことが認められます。期間内に支払がなされない場合には、特許権/実用新案権は消滅します(UAE連邦特許・意匠法14条)。

(2) 従業員によってなされた発明の特許権者

 発明が従業員によってなされた場合、別段の合意がない限り、雇用主がその特許権者となります(UAE連邦特許・意匠法9条1項)。その発明の経済的価値が当事者の想定を上回る場合、別段の合意がない限り、発明者は裁判所によって決定される追加の対価を得る権利を有します(UAE連邦特許・意匠法2項)。

(3)第三者による強制的な実施権の取得

 特許権者がその権利を使用しておらず、以下の条件を満たす場合に、関連性を有する第三者は強制的な実施権を取得することができます(UAE連邦特許・意匠法24条)。

i. 特許証の発行から少なくとも3年が経過していること
ii. 実施権者が、特許権者から合理的な価格かつ合理的な条件で実施権の設定を受ける努力をしたことを証明すること
iii. 実施権の期間が無期限ではないこと
iv. 実施権が国内市場の基本的な要求を満たすこと
v. 実施権の対象範囲が、実施権設定の目的に適っていること
vi. 特許権者が適正な実施権料を受領すること
vii. 特許の使用が、実施権者に限定されていること
viii.半導体技術の場合、実施権は公衆目的、非商業使用目的、または競争を制限するとして司法上または行政上の救済決定がなされた場合に限る

(4)第三者による使用等の権利

 第三者が、善意で、特許権の出願または優先権主張の基準となる時点に先立って、UAEにおいて、特許権の対象となる製品の製造、発明方法の使用、もしくは、これらの製造または使用に不可欠な準備行為を行っていた場合、同第三者はそれにより取得した製品について、使用等をする権利を有します(UAE連邦特許・意匠法17条)

(5)GCC加盟国に共通の特許制度との関係

 UAEの特許制度とは別に、GCC加盟国に共通の特許制度が存在しますGCC特許庁がこの特許制度を管轄しており、GCC特許庁によって承認された特許権は、GCC各加盟国において効力を有します。その発明について、GCC諸国に限定して権利取得したい場合には、GCC特許庁への出願が効果的です。
 国際的な優先権主張に関し、GCC特許庁においては、パリ条約に基づく優先権主張は可能ですが、特許協力条約に基づく優先権主張をすることはできません。詳論は避けますが、優先権主張できる期間の長さや、国際調査の内容を確認できる点で、特許協力条約による優先権主張の方が、メリットがあると言われています。出願者が日本での出願の優先権をGCC各加盟国で主張するためには、特許協力条約に基づく優先権を主張して各加盟国個別において審査手続を進めるか、パリ条約に基づく優先権を主張してGCC特許庁における審査手続を進めることが考えられます。
 なお、GCC特許庁には、実用新案制度はありません。

特許出願の手続

 特許出願がなされると、必要な書類が提出されているか等の形式審査がなされ、それをクリアすると、その出願対象の発明が新規性や進歩性を有しているか等の実体審査が開始されます。
 審査後、承認または拒絶についての通知を出願者に送付されます。決定に不服がある場合には、特許委員会に異議申し立てをすることができます。さらに、特許委員会の決定に不服がある場合には、管轄の裁判所に提訴することが可能です。
 承認された場合には、特許証が発行され、工業財産回覧に公開されます。(UAE連邦特許・意匠法13条)。これに対し、利害関係を有する第三者は、異議申し立てをすることができます(同条)。異議申し立てがない場合、または、異議が認められない場合、その特許権は登録されることとなります。

意匠権

意匠権の権利概要

 意匠権についてもUAE連邦特許・意匠法上に規定がありますが、工業用描写(工業製品または手工業製品において使用可能な線または色による革新的な構成物)と工業用デザイン(工業製品または手工業製品において使用可能な三次元の革新的な構成物)の2つが意匠権の対象となっています(UAE連邦特許・意匠法1条)。工業用描写または工業用デザインは、新規性、進歩性を有し、工業製品または手工業製品としての利用可能性があり、公の秩序とモラルを侵害しないものでなければなりません(UAE連邦特許・意匠法47条)。
 意匠権者は、あらゆる製品の製造に工業用描写または工業用デザインを使用すること、使用または販売の意思をもって、工業用描写または工業用デザインに関連する製品を輸入または取得すること、を禁ずる権利を有します(UAE連邦特許・意匠法51条)。

意匠権の特徴

(1)意匠権の有効期間

 意匠権は出願から10年間有効です(UAE連邦特許・意匠法49条)。特許権と同様に、権利者は出願日の翌年から毎年登録料を支払わなければならず、この支払いが3か月間なされなかった場合、さらに3か月の猶予期間が与えられ、その間に増額された登録料を支払うことが認められます。期間内に支払がなされない場合には、意匠権は消滅します(UAE連邦特許・意匠法50条、14条)。

(2)第三者による使用等の権利

 第三者が、意匠権の出願に先立って、意匠権の対象となる工業用描写または工業用デザインを善意で使用していた場合、同第三者はすでに取得している製品について、使用等をする権利を有します(UAE連邦特許・意匠法52条)。

(3)従業員によってなされた描写・デザインの権利

 工業用描写または工業用デザインが従業員によってなされた場合、特許権と同様の規定が存在します(UAE連邦特許・意匠法53条、9条)。

意匠権の出願手続

 出願された工業用描写または工業用デザインが承認されると、工業財産回覧に公開されます(UAE連邦特許・意匠法48条)。これに対し、利害関係を有する第三者は、異議申し立てをすることができます(同条)。異議申し立てがない場合、または、異議が認められない場合、その意匠権は登録されることとなります。

著作権

著作権の権利概要

 著作権の対象となる著作物とは、創作物であって、形式、表現方法、価値または目的を問わず、文学、芸術、科学の範囲に属するもののことをいいます(UAE連邦著作権法1条)。具体的には、以下の各著作物がその対象として列挙されています(以下の条文はUAE連邦著作権法)。

2条1号 書籍、パンフレット、エッセイおよびその他の文書
2条2号 コンピュータプログラムおよびアプリ、データベース、ならびにそれらと類似すると当局が決定したもの
2条3号 講義、講演、説教およびこれと類似するもの
2条4号 演劇、ミュージカルおよび黙劇
2条5号 音楽の楽曲(歌詞の有無を問わない)
2条6号 音声および視聴覚の著作物
2条7号 建築物、エンジニアプランおよびレイアウト
2条8号 描写、絵画、彫刻、および版画(布、金属、石、木)ならびに芸術の範囲に含まれる彫り物およびこれに類似するもの
2条9号 写真の著作物およびこれに類似する著作物
2条10号 応用美術および造形美術
2条11号 イラストレーション、地図、スケッチ、地理的三次元創作物、地勢図および建築デザイン等
2条12号 二次的著作物

 著作権者の有する権利には、以下の各権利が含まれます(以下の条文はUAE連邦著作権法)。

5条1号 著作物の公表をする権利
5条2号 著作物に自らの氏名を表示する権利
5条3号 著作物の変更が、歪曲、変更、または著作者にとって損害を生じさせる場合に、その変更を禁ずる権利
5条4号 正当事由がある場合に、著作物を非公開とする権利
7条 電子ローディング、保存、演劇、放映、再放映、公衆通信、翻訳、修正、変更、レンタル、賃貸、公表等の複製権

著作権の特徴

(1)著作権の有効期間

 著作権の有効期間は、主たるものとして以下のとおりです(以下の条文はUAE連邦著作権法)。

20条1項 原則 著作者の死亡の翌年から50年間
20条2項 共同著作の場合 最後に死亡した著作者の死亡の翌年から50年間
20条3項 著作者の死亡後に著作物が公表された場合 公表の翌年から50年間
20条4項 著作者が匿名またはペンネームの場合 公表の翌年から50年間
20条5項 応用美術の場合 公表の翌年から25年間
20条7項 演劇の著作物の場合 最初の演劇上演の翌年から50年間
20条9項 放送団体の著作物の場合 最初の放送の翌年から20年間

(2)複数名による著作物の創作

 複数名が著作物の創作に関わり、各関与者の関与部分を区別できない場合関与者間で別段の合意がない限り、すべての関与者は等しく著作者としてみなされます(UAE連邦著作権法25条)。

(3)著作権侵害が認められない場合

 以下の場合を含む一定の場合には、著作権侵害が認められません(UAE連邦著作権法22条)。

i. 単に個人的かつ非商業的または専門的かつ個人的な利用のための一度の複製行為
ii. アプリケーションやデータベースを含むユニットを適法に取得した者の許可を得てなされる、一度のコンピュータプログラムの複製行為
iii. 出典および著作者名を明示することを条件とした、法的手続または類似の手続に利用するためそれらに必要な限度における複製行為
iv. 家庭、保管所、図書館または文書センターにおいて、記録を残したうえで、直接または間接の営利を目的としない一度の複製行為で、以下のいずれかに該当する行為

1. 原典の保管目的、もしくは紛失、利用に適さない状態の損壊、または複製することができない状態のものを差し替える目的の複製行為
2. 複製の目的が、自然人による研究を目的とした申請に対応するものである複製行為。ただし、複製が承認されるのは一回限りまたは法律の規定によれば使用許諾を取得することができない場合に断続的に使用する場合に限る。

v. 出典および著作者名を明示することを条件とした、批判、議論、または情報提供のための、短い段落または合理的な範囲の分析の引用
vi. 直接的・間接的な報酬の発生しない、家庭内における、または生徒による教育機関における著作物の上演
vii. 純粋芸術、応用美術、造形美術または建築美術を、公衆放送にて公開すること。ただし、これらが公の場所に固定されている場合に限る。
viii. 書面、音声または視聴覚の短い抜粋を、文化的、宗教的、教育的または職業上の訓練目的で複製すること。ただし、複製行為がその目的に従い合理的な範囲内であり、著作者とタイトルが可能な場所に明示されており、複製管理者が直接的間接的な営利を目的とするものではなく、かつ、法律上の規定によれば使用許諾を取得することができない場合に限る。

おわりに

 冒頭でも述べたとおり、我が国と比べると、UAEにおける知的財産権の侵害行為は多く存在している状況です。自社のブランドや技術を守るためにも、知的財産法制を理解し、どのような救済が可能であるかを把握しておくことが望ましいと考えられます。

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