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法務キャリアの登り方

第2回 スタートアップマインドで挑む、「インハウス」と「弁護士」というパラレルキャリア

法務部

昨今、企業法務におけるキャリアは多岐にわたります。インハウス・ロイヤー(企業内弁護士)も年々増加し、法務部門での採用は新卒採用、中途採用、弁護士採用、修習生採用など、募集の対象は様々です。また時代の変化とともに、法務の仕事は広がりを見せています。そのような環境下、以前に比べて自身のキャリアを考える方が増えているのではないでしょうか。

今回はメルカリで法務・IRを担当する岡本 杏莉さんに取材しました。岡本さんは元々、西村あさひ法律事務所でコーポレート・M&A分野の弁護士として勤め、現在はインハウス・ロイヤーとして活躍されています。また昨年末からは森・濱田松本法律事務所出身の若手弁護士、小笠原 匡隆氏と角田 望氏が立ち上げた法律事務所ZeLoに参画し、メルカリに在籍しながら弁護士としての仕事も再開しています。

そんな彼女はどのようにして自分のキャリアを構築し、そしてこれから何を目指しているのか、お話を聞きました。

シリコンバレーで培ったスタートアップのマインド

2017年、年末に岡本さんはビズリーチが主催するイベント「BalconiiTalk(バルコニートーク)」に登壇しました。このイベントは20代の社会人を対象に、副業や独立、転職、といったキャリア選択をテーマとしたトークセッションやワークショップが行われるイベントで、定期的に開催されています。岡本さんは、2016年の年末にも同社のイベントで自身のキャリアについてお話されており、そのユニークなキャリアが注目を集めています(2016年のイベントの模様は「法律事務所からスタートアップへ、弁護士の新しいキャリア選択」をご覧ください)。

イベントの中で、「なぜ、弁護士という職業を選んだのか」という質問に対して、岡本さんは次のように話しました。

「最初に弁護士を目指した理由はすごく曖昧なもので、仕事をするにあたって資格があるほうが有利だとみんなが言っていたから。当時はM&Aという言葉が流行り出した頃で、テレビや新聞を通じてM&Aは弁護士の仕事の一つだと知り、なんとなくかっこいいな、くらいの軽い気持ちで目指しました」

そうして実際に弁護士になった岡本さん。しかし、弁護士として働くうちに、次第に心境に変化があったと言います。

「最初のうちは法律事務所の弁護士として仕事をする何もかもが楽しかったんですが、3〜4年経って仕事に慣れてくるうちに、クライアントとの距離の遠さを感じてきました。特にM&Aを担当していたということも影響しているかもしれませんが、企業がM&Aを行う際に、弁護士へ連絡がくるタイミングは、ある程度企業の中で固まってからなんです。どの会社を買うのか、様々なアイデアを出し合い、検討し、社内の中で合意が取れてから弁護士のところへ話がおりてきます。そうしてM&Aに関する契約や諸手続が完了したら弁護士の仕事は基本的にはそこで終わり。買収した後にその企業がどうなっているのかはわからないんです。だから、自分の仕事がなんだかドライなビジネスのように感じてしまうこともありました」

岡本さんが次のキャリアを選ぶきっかけとなったのが、スタンフォードロースクールへの留学でした。

「法律事務所に数年勤めた後に留学の機会をいただいたんですが、その留学先での経験が大きな刺激になりました。私が留学したスタンフォードのロースクールはシリコンバレーのど真ん中にある学校で、まさにアントレプレナーシップ(起業家精神)が当たり前のように根付いているような環境でした。たとえば、ロースクールなので、やはり弁護士や企業の法務部の方が多かったんですが、弁護士になりながら起業していたり、あるいは起業を目指そうとしていたり、そういう話をするクラスメートが多く、衝撃を受けました。ロースクール以外でも、シリコンバレーで起業した人たちにたくさん会い、スタートアップのカルチャーを日々感じていく中で、興味をもちました。スタートアップの発想は、課題解決なんです。「世の中の課題を解決したい」という想いを持った人が多く、私もそういう世界で働いてみたいと思いました」

こうして、留学を終え帰国した後の2015年3月に、岡本さんはメルカリへ入社することを決意しました。

法律事務所ZeLoの岡本 杏莉弁護士

岡本 杏莉さん

固定概念にとらわれずに、やりたいことを

メルカリに転職する際は、周囲にはかなり驚かれたと言います。それでも、揺るがない決意で、岡本さんは転職しました。

「メルカリは、これまでタンスの中に眠らせていたいらないものなどを気軽に出品できるフリーマーケット感覚のサービスです。メルカリを利用することによって、誰かに喜んで使ってもらえると同時に、お金を得ることもできます。世の中に対して、何かプラスの影響を与えられる仕事をしていきたいんです」

もうすぐメルカリに入社して3年、岡本さんはさらに自身のキャリアを多様化させていっています。現在はメルカリでの業務に加えて、法律事務所ZeLoとリーガルテックのスタートアップ企業であるLegalForceにも参画しています。

「知人の紹介で小笠原氏と角田氏と知り合い、日本の法務をテクノロジーの側面から支え飛躍させたいという理念に共感し、参画することを決めました。私自身、法律事務所や企業で働いた経験から、企業法務の仕事にはたくさんの非効率な点があると感じています。LegalForceでは、テクノロジーの力で業務を効率化し、企業の役に立つサービスを提供していきたいと考えています。自分に与えられた仕事にコミットし全力で取り組むことはもちろん重要ですが、それが必ずしも一つの会社のみに所属するということを意味するものではないと思っています。枠にとらわれずにどんどんやりたいことにチャレンジしていきたいです」

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