IT活用で株主総会の準備・運営の効率化を - 平成30年6月定時株主総会の振返りと次回総会に向けた対策PR

コーポレート・M&A

コーポレートガバナンスの議論の進化や、スチュワードシップ・コードの整備などを受け、株主総会は近年、株主との対話の場としての性格を強めつつあります。本年度の株主総会でも、ガバナンスや経営戦略等に関する質問が多く見られました。

こうしたなか、東京・新木場にて9月6日、「平成30年6月定時株主総会の振返りと次回総会に向けた対策」と題したセミナーが行われました。同セミナーでは、本年度の株主総会の傾向を分析し、来年度に向けてどのような対策を進めていくべきか、桃尾・松尾・難波法律事務所 パートナー 三谷 革司弁護士と、NECソリューションイノベータ サービス基盤ソリューション事業部 後藤 和博氏が解説しました。本稿ではその様子の一部をお届けします。

NECソリューションイノベータ 後藤 和博氏の講演の模様をこちらより動画でご覧いただけます。次回の株主総会の運営について考える上で、ぜひご活用ください。

株主提案は「説明の場」へ変化

はじめに登壇したのは三谷弁護士。「本年度の株主総会は比較的穏やかな年で、全般的には平穏に終わったと見られています」と総括しつつも、近年、株主総会が「対話型」へと変化しつつあることについて説明しました。その背景として、スチュワードシップ・コードが2017年5月、コーポレートガバナンス・コードが2018年6月に改定されるなど、コーポレートガバナンスに関する環境整備が進んだことがあります。これにより、「企業・株主とも、株主総会は単に議案を決議すればよいというだけの場ではなく、会社の成長戦略や経営計画について『説明』をする場であるという意識が芽生えてきています」と三谷弁護士はいいます。

桃尾・松尾・難波法律事務所 パートナー 三谷 革司弁護士

桃尾・松尾・難波法律事務所 パートナー 三谷 革司弁護士

特に本年度の傾向として、株主提案が多かったことがあげられます。株主提案を受けた会社は42社と、過去最高の数となりました。三谷弁護士は「数が多かっただけではなく、質の変化も見られます。これまでは、特殊株主による嫌がらせ的な提案や、単純に株主還元を求める提案、社会運動的性格を持つ提案が多かったですが、コーポレートガバナンスに関する議論を踏まえた提案が増えつつあります」と補足します。議決権行使助言会社が株主提案に賛成する事例も生じており、企業としては、単純に株主提案に反対するだけでなく、より真摯かつ説得力をもった説明が求められるようになってきています。

対話型の株主総会へ移行するにあたって、株主の質問に関しても、株主還元や配当政策の方針、業績見通し、役員報酬制度、リスク管理体制など、経営に関する真剣なものが増加してきており、株主総会本来の議論ができるようになってきています。三谷弁護士は、ここにもやはりコーポレートガバナンスに関する議論の影響があると指摘したうえで「コーポレートナバンス・コードによって株主としても経営を見る指標や議論の素材ができてきました。これは一般株主だけでなく、海外ファンドからの株主提案の増加にも繋がっています」と説明しました。

さらにこうした状況を踏まえ三谷弁護士は、来年度の株主総会に向けた準備として、コーポレートガバナンス・コード改訂を踏まえて、経営陣の選解任に関する方針や、独立した諮問委員会の設置および役割の再検討、取締役・監査役構成の見直し、報酬制度の検討など、株主に説明できる土台を整備していくことが必要であると解説。「まず経営層がきちんとその方針を決めなければならず、年間を通して考えていく必要があります。特に機関投資家はガバナンス関係に関心を寄せているため、株主総会で厳しい質問をされる可能性もあります。レベルの高い回答をするためには、しっかりとした準備が必要です」とまとめました。

事前準備から本番運営まで株主総会に関わる業務をITで効率化

続いて、後藤氏がスマートな株主総会に向けたIT活用について説明しました。三谷弁護士からも説明があったように、株主総会が株主との対話の場へと変化してきたことに伴い、株主の質問数も年々増加しているといいます。一方で、株主総会の時間はわずかにしか増えておらず、後藤氏は「事務局の皆様がしっかりと準備して、スピーディーに対応していることの表れ」と分析しています。しかしこれは、株主総会の事前準備に多くの時間を費やしているとも言い換えられます。株主総会での想定問答の数は、平均400件弱。想定問答の数が多ければ多いほど、当然、リハーサルの回数も増えていきます。

NECソリューションイノベータ サービス基盤ソリューション事業部 後藤 和博氏

NECソリューションイノベータ サービス基盤ソリューション事業部 後藤 和博氏

後藤氏の所属するNECソリューションイノベータには、こうした株主総会の準備・運営に関する労力を、ITを使って効率化できないかという問い合わせが多く寄せられ、特にここ2、3年はその数が増えてきているといいます。NECソリューションイノベータでは現在、旧・NECソフト時代に自社で活用していたシステム「KaBridge」を販売しています。

KaBridgeの機能は大きく分けて2つあります。想定問答やシナリオ、想定指示を作成するための「事前準備機能」と、株主総会本番の質疑・議事を支援する「本番運営機能」です。これら2つの機能は、セットでも単独でも購入することが可能です。後藤氏はKaBridgeについて「事前準備業務の効率化から、議長が株主に集中できるよう株主総会当日のスピーティーな想定問答確認までを行うことができます。また最近では、ペーパーレスという文脈からも引き合いが強いですね」と説明します。

以下では、具体的に「本番運営機能」「事前準備機能」についてそれぞれ詳しく見ていきます。

本番運営機能の特色

議長席にはシナリオを表示する画面と、想定問答を表示する画面の2つが設置されます。KaBridgeはタブレットとモニターで利用することができますが、タッチパネルでの操作が前提となるため、タブレットでの利用が推奨されています。

シナリオ画面では、役員の入場から宣言、議事進行といった流れを確認することができ、進行上想定される問題に対する指示なども表示されます。想定外の質問が発生した場合などには、事務局から手書きで議長への指示を行えるほか、議長側からも呼び出しボタンを押したり、手書きメモで事務局に連絡することが可能です。「演壇上でキーボードを打つのは見苦しいと感じる方もいます。タブレットであれば、紙にメモをとっているような感覚で事務局とコミュニケーションがとれるでしょう」(後藤氏)

また後藤氏は、事務局側の想定問答検索機能についても説明。第二事務局の複数人がそれぞれ検索をかけた結果を第一事務局に送信すると、第一事務局では、これらバラバラに送信されてきた想定問答の内容を一覧で表示することができ、そこから最も相応しいものを選んで議長に送信することができます。想定問答には手書きで加筆できるほか、どの役員に答えてほしいかも指示することができます。役員が自分から立候補することも可能です。

KaBridgeを用いた総会本番の運営イメージ

KaBridgeを用いた総会本番の運営イメージ

事前準備機能の特色

事前に想定問答を作成する際に最も苦労する点のひとつが承認フローの策定でしょう。事務局は各部門に想定問答の作成を依頼して、それを取りまとめていかなければなりません。Webブラウザで操作を行うKaBridgeは、統一された書式や文章量で修正指示や進捗状況を一元管理することができ、フォルダ構成も、作成部門ごと、回答役員ごと、想定問答のジャンルごとといったように、オリジナルの分類で運用することが可能です。承認のフローは会社によって異なりますが、自由にカスタマイズして利用することができます。

三谷弁護士の講演でもあったとおり、株主総会では今後、これまで以上にさまざまな対応や準備が求められるようになってきます。業務効率化が叫ばれる昨今、ITを活用することでできるだけ無駄を省き、株主総会のスムーズな準備・運営を心がけたいものです。

KaBridgeに関するお問い合わせ先

日本電気株式会社 デジタルプラットフォーム事業部
E-mailで問い合わせる
NECソリューションイノベータ 後藤 和博氏の講演動画

本稿で紹介しました「平成30年6月定時株主総会の振返りと次回総会に向けた対策」セミナーより、NECソリューションイノベータ 後藤 和博氏の講演の模様をご覧いただけます。次回の株主総会の運営について考える上で、ぜひご活用ください。

(構成:BUSINESS LAWYERS編集部)

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