リスクもグローバル化する時代に求められる法務機能とはPR

国際取引・海外進出
リフィニティブ・ジャパン株式会社

目次

  1. 法務機能が企業の国際競争力を高める原動力になる
  2. いまこそ「コンプライアンスへの取り組みとはなにか」を問い直そう
  3. 法務部門が社内外で構築すべき「これからのコンプライアンス体制」とは

ますますグローバル化が深化・重層化する今日。国内企業もまた、海外市場への進出や世界規模でサプライチェーンを張り巡らせる動きをさらに加速させている。だが、一方でこれは「リスクをグローバル化」させることにつながる、との見方もある。

海外に目を向けると、まだまだ旺盛な消費力を持つ新興市場は多々ある。しかし、これらの国では、当局への賄賂、現地企業間での談合やカルテルといったリスクもあれば、賄賂の授受が半ば商習慣となっている国もあると指摘されている。加えて、頻繁に法令が刷新・変更されてもそれを知るすべがなく、ようやく掴んだ情報をもとに内容を精査し対応しようとするころにはすでに当局に目を付けられてしまっている、ということすらあると聞く。

こうしたリスクを織り込んだうえで参入を決めるのであれば、高額化する罰金・制裁金といった一時的な経済的損失のほか、問題発覚後に中長期的かつ波及的に被る企業価値の損失等にも目を向け、将来の事業展開においてどの程度の「足かせ」になるのかを想定しておくことが必須だ。あわせて、次善の策を講じておくことも欠かせない。

今日、そうしたビジネス環境に対して、リスクベースアプローチで対応し、望ましい成長を達成するよう力を発揮することを期待されているのが企業内の法務部門だ。それに伴い、外部との連携を含めた法務機能の強化が喫緊の課題だ、とも認識されはじめている。

法務機能が企業の国際競争力を高める原動力になる

確かに、従前より企業の法務部門は契約審査や係争対応といった事務系の業務において企業の円滑な事業展開を支えてきた。だが、これからの法務部門は、前述に挙げたようにグローバル化するリスクに対処することもさらに加えて求められることになりそうだ。これは、リスクとリターンを天秤にかけ、収益を最大化させるべく「どこまでリスクテイクするか」を考え、必要に応じて判断を下すことができる能力を持つよう求められている、とも言い換えられる。

十分な法務知識を持つ日本企業の法務部門の担当者は、「リスクは潰すべきもの」と考えるのが常だが、ビジネスの実情を加味し、「法務の立場で何を助言し、どう備えることでリスクを最小化できるか」という問いに答えを導き出せるよう意識改革を行なうことが、法務部門の担当者にとって急務となるだろう。また、今後は法務とビジネスの知識とセンスを有した人材をどうやって採用・育成していくか、検討する必要もありそうだ。このような課題に対し、社内で議論を重ねるだけでなく、同じく海外展開している企業の事例等を参考にすることは、解決策を考える上で重要なヒントになるはずだ。

いまこそ「コンプライアンスへの取り組みとはなにか」を問い直そう

適切な組織体制を検討することも重要だが、足下のコンプライアンス対応について改めて目を向けることも有意義だろう。実際のところ、日本企業のコンプライアンスやリスク管理への取り組み度合いは非常に高い、との評価は多く聞かれる。

だが、リフィニティブと日経BPコンサルティングが共同で行なった「国内大手企業におけるコンプライアンス・リスク管理関係者の意識調査 1」によると、コンプライアンスやリスク管理への取り組みの現状評価について、「とてもよくできている」と回答した割合は24.8%。「ある程度できている」とするのは66.8%との結果が出た。このように評価に乖離が見られる背景にはいくつかの要因が考えられるだろうが、そのひとつに「対策が対症療法のようになっている」ことを問題視する意識がどこかにくすぶっているのではないか、と推察される。

当局やマスコミに探知、摘発された問題や、同業他社で問題になっていることを題材とし、それについて原因究明と再発防止策を練るという個別対応型のアプローチはできているが、「それが自社に完全にフィットしているか」「もし、自社に何か未知の有事が起こった場合、現在検討されている策だけで対応できるのか」という不安が拭えない、というわけだ。

もちろん、前述のような既知の事案を元に対応策を用意することは大いに意義がある。だが、本来ならば危機的な事態を引き起こさないようにエクスポージャーを把握し、組織をマネジメントすることにこそ注力すべきだろう。

法務部門が社内外で構築すべき「これからのコンプライアンス体制」とは

グローバルで展開する企業ともなれば、本社がグリップできる範囲には限りがあり、リスク対策にムラが生じることも起こり得る。また、ビジネスの内容や市場の個性・文化性、ステークホルダーの性質によってリスクはほぼ際限なく見出せもする。時には画一的なルールがなじまず、例外ができてしまい、それが新たなリスクの種になることも考えられよう。

そうした想定外に対処するためにも、法務部門は「最後の切り札」をしっかりと握っておく必要もあるだろう。冒頭で述べた通り、グローバルにビジネスを展開することがグローバルリスクを内包することと同じであるならば、有事に備えて外部有識者や協力者、専門家と強力なコネクションを持っておく必要がある、というわけだ。

そこで重要なのが、やはり、内部・外部要因によって流動的になる自社のエクスポージャーを適切に把握することだ。これを常に理解しておくことは困難ではあるが、自社にとって「なにが必要か」は見定めやすくなる。

以下からダウンロードできる特別レポートは、上記のような自社にとってのあらゆるリスクを把握し、最良の経営判断を行おうと日々取り組む企業を支援しているリフィニティブが主催した「グローバル・コンプライアンス・コーポレート・フォーラム2019」にて交わされた識者による講演をまとめたものだ。グローバルビジネスを安定的に推進するための課題整理と対峙法を考える一助としてぜひ活用いただきたい。


  1. リフィニティブ・日経BPコンサルティング共同調査概要
    調査内容:国内大手企業におけるCompliance・リスク管理関係者の意識調査
    調査手法:インターネット調査
    調査対象:従業員数1,000以上の企業におけるコンプライアンス、リスク管理に関与する課長クラス以上、計400名(金融100、その他業種300)
    調査期間:2018年10月25日(木)〜10月29日(月)
    有効回収数:400件 ↩︎

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