法律事務所からスタートアップへ、弁護士の新しいキャリア選択

ベンチャー

 昨年12月19日、転職サイト「ビズリーチ」やレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」など、人事や人材(HR)領域を中心としたインターネットサービスを運営する株式会社ビズリーチのオフィスで、現役ベンチャー社員のトークセッションが開催されました。今回のイベントで登壇したメンバーは、もともと法律事務所で働いていた30代前半の弁護士3名。修習生時代に同期だったという3人が、なぜ法律事務所で働くことを辞め、ベンチャー企業で働く道を選んだのか、今後のキャリアなど含めて、リーガルマインドを備えた若手3名が想いを語ってくれました。

 イベントには、司法修習生や弁護士、企業法務などさまざまな立場の方が約40名、参加していました。この記事では、当日イベントに参加した方々の質問もふまえて、彼らがどのように回答したのかをご紹介します。

左から、株式会社メルカリ Legal/Finance 岡本杏莉さん、株式会社メドレー 法務統括責任者 田丸雄太さん、株式会社ビズリーチ キャリアトレック事業本部 小田将司さん

自社プロダクトがほしい – 小田さん

法律事務所で働いていた時の仕事内容と、なぜベンチャー企業に転職したのかを教えてください。

岡本さん
 私はもともと、西村あさひという法律事務所でM&Aやコーポレート関連の仕事をしていました。クライアントは日本企業もあれば外資企業もあるし、国内のM&Aもあれば、クロスボーダーもあるし、といった具合です。そこで4年半くらい勤務していましたが、次第に業務への物足りなさを感じる部分が出てきました。
 M&Aという仕事の中でも、外部の弁護士に声がかかるのは、「案件をやります」「リーガルアドバイザーが必要です」となった時です。「どうしてこのM&Aに至ったのか」「このM&Aはビジネス上どういう目的があるのか」「買収した後はどうしていくのか」、こういったことはわからず、それがもったいないと感じていました。それが転職を考えた1つ目の理由です。
 もう1つの理由としては、留学によっても大きな影響を受けました。私が留学したStanford Law School(LL.M)という学校はシリコンバレーのど真ん中にある学校で、カルチャーとしてみんながスタートアップに興味を持っている、そんな学校でした。スタートアップの業界に興味を持ったのは、この時がきっかけです。

田丸さん
 僕もM&Aや企業のさまざまな法務を経験してきました。以前、三井物産のM&A推進室に出向した経験があり、その時に小さな案件から大きな案件まで、イケてるものからイケてないものまで、あらゆる相談を受けました。イケてないものについては、「そもそもその投資、やめた方がいいんじゃないですか?」というようなことも含めて話をしていましたが、そのせいか「田丸君って、法律以外の財務や経営の話についても口出すよね」とよくいじられていました(笑)。そこで「弁護士だけやっているのはもったいないんじゃないの?」と言われたのをきっかけに、自分のキャリアについて考え始めました。
 法律事務所に戻った後もそう言われたことが心に残っていて、これから先の30年、40年のキャリアをどうつくっていくのかを考えた結果、お客さんに対して知識や経験をベースに法律アドバイスを提供するよりも、もっと何かをつくるようなことをやりたいと思っていた中、メドレーのメンバーに会ってベンチャー企業に転職することを決めました。

小田さん
 僕は、弁護士として仕事をしている時に、細かいことをやるのが苦手であると気が付きました。私は右脳左脳でいうと、あらゆるテストで右脳と診断されます。超絶右脳タイプで細かいことが苦手な自分は、今の仕事が向いていないことに3年目で気付いてしまいました(笑)。
 また、重要な感覚として、「自社プロダクトがほしい」という気持ちもありました。弁護士になって1年目の時に、テーマパークを運営するクライアントを担当し、自社のテーマパークに誇りを持っているのを間近で見て、めちゃくちゃ羨ましいと思いました。弁護士のプロダクトというと法律なのかもしれませんが、自社プロダクトといった感覚はあまりありません。いざ転職して自社プロダクトという存在を持って見ると、自分の子供のような感覚で、これが自分の求めていたものだと実感しました。
 「自分には弁護士は向いていない」「自社プロダクトがほしい」、この2つの理由から、転職を決意しました。

株式会社ビズリーチ キャリアトレック事業本部 小田将司さん

株式会社ビズリーチ キャリアトレック事業本部 小田将司さん

いろいろな選択肢の中で今の会社を選んでいると思いますが、なぜ今の会社に決めたのでしょうか。

小田さん
 最初は法務への転職を考えていました。逆にいうと、それ以外の選択肢があることを認識していませんでした。ビズリーチに面接へ行った時に、代表の南から「君は何がやりたいの?」と聞かれ、その時に正直に「将来は経営者をやりたい」と伝えました。「自分が思い描いている日本社会の展望があって、それを自分の力で実現していきたい」「世の中にインパクトを与えながら経営者として主体的に変えていきたい」「だから経営者になりたい」と話をしたところ、「君の将来を考えたら法務じゃない方がいい。ゼロから挑戦するならその挑戦を心から応援する」と言われました。このタイミングで挑戦するには、中途半端なことはしたくない、100%事業に振り切りたいと思い、ビズリーチへの入社を決めました。

田丸さん
 転職の前に自分の中で選択肢としてあったのは、弁護士事務所を開業して、自分のお客さんを持って、自分が近い距離でサポートできる人と一緒に仕事をするということでした。プロダクト愛じゃないですが、そうすることによって、サポートしている人にパッションを感じられるんじゃないかと。大きい事務所だと、決まったお客さんが決まった案件を持ってくるので、一緒に成長をサポートしているという感じではありませんでした。
 また、AIが法律事務所で使われ始めているとアメリカで聞いたりして、法律事務所の中にAIを取り入れて活動していくような会社なのか法律事務所なのかを起業するのも1つだと思っていました。
 そうしていろいろ考えている中で、メドレーの創業者である瀧口から、メドレーの将来の展望について話を聞き、医療の世界には法律のプロが中にいないと難しい部分があることを感じました。そして、医療の世界にイノベーションを起こしていくのはすごくチャレンジングであり、やりがいを感じられると思い、その時に僕はやりがいを感じたかったんだなと気付きました。瀧口が目指していることを横で見て、一緒にサポートしていくことによって、自分も将来的に経営者に向かって成長していけるのかなと感じました。
 法律事務所で8〜9年働いて、「法務以外の事業も経営もできるからやってほしい」と言ってくれる場所ってなかなかないと思うんですよ。そういうものは個人的な人間関係なしに、採用ツールを使って見つけられる気がしなかったので、こんなチャンスはないだろうと、メドレーへの転職を決意しました。

岡本さん
 転職するにあたっていろいろなことを考えましたが、メルカリに転職した重要なポイントとしては、プロダクトや会社の事業に対する気持ちが大きかったと思います。「メルカリ」は個人間取引のマーケットプレイス、いわゆるフリマアプリと呼ばれているもので、ヤフオクなどのオークションサービスとは違い、出品直後にでも取引が完了することがあります。またPCではなく、スマホメインのサービスであることも特徴です。簡単に個人で売り買いできて、サービスとしてわかりやすく、自分自身でもユーザーとして使ったことのあるサービスでした。せっかく事業会社の中に入って、外部の第三者という立場でなくなるなら、自分の会社の事業をよく理解することができ、かつ、ユーザーとして自分が好きでサポートしたいと思える事業がいいなと思っていました。
 また、個人的に非常におもしろいと思っているのは、メルカリが出てきたことでユーザーの方々の日々の生活が変わってきている、大げさに言うと、手前味噌なのですが「世の中を変えているサービス」であるということです。今までのオークションサービスはハードルが高いところがありましたが、メルカリで初めてどんな人でも気軽に物を売ったり買ったりできるようになりました。メルカリのユーザーさんには、「今までオークションサービスなどは難しくて使ったことがなかったけれど、メルカリのおかげで、たんすに眠っていた不用品を簡単に売れるようになった、私の人生が変わりました」と言ってくださった方もいます。このようなユーザーさんの声を聞けるのはとても嬉しく、やりがいを感じています。

リーガルマインドは活きています – 田丸さん

(ここからは、イベント参加者からの質問となります)

私は司法修習生で、企業法務を扱う大手の事務所から内定をもらっているのですが、法律事務所で勤務していた時と比べて、感じるやりがいの違いはどこでしょうか。

田丸さん
 一番大きく違うのは、弁護士はアドバイザーなので意思決定をしないということです。クライアントにメリット・デメリットを説明して、「決めるのはあなたです」という仕事です。弁護士は最後の責任は取りません。今のように、自分が決めたら決まっちゃうという状況とはだいぶ違います。

岡本さん
 事業会社の中に入ってバリューを出すには、もちろんリーガルの部分をサポートするやり方もありますし、リーガルの枠を超えて事業自体を助けるやり方もあります。特に、スタートアップに入るとリーガルだけやっていればいいとか、リーガルだけを求められるというよりは、「一緒に事業をやろうよ」というケースが多いと思います。
 スタートアップの中に入ると、外部アドバイザーではなく、自分が当事者になって、全部が自分事になります。会社の事業全体がどう成長しているのか、何が課題なのか、どういう戦略なのか、全部が自分のことになってきます。「事業をサポートする中での法務」という立場で、リーガルの専門的なアドバイスを担当する外部の法律事務所とは違ってきます。

小田さん
 そもそも自分が何をしたいのかが本質的には重要だと思いますが、法律事務所の時間が無駄だったかというと、決してそんなことはありません。そこで培ったリーガルの幹はものすごく太いものができています。だからこそ、ここにいるメンバーは、ベンチャーの法務へ行ってもすごい人として活躍できているのだと思います。新卒だったら、そうはなっていないはずです。今も、法律家として働いていたあの時の総合力や考え方は、活きているし、全く無駄にはなっていません。

法務以外のところで、法律家だからこそ活かせている能力はありますか。

岡本さん
 メルカリでは、法務以外にファイナンスやIRも経験させてもらっています。今年3月にシリーズDの資金調達1をCFOと共に担当させていただきました。その時はもちろん、リーガルの知識が活きるところもあって、M&Aの経験からデューデリジェンスに対応したり、投資契約書をつくったり、リーガルの知識と経験を活かすことができました。
 また、投資家へのプレゼン資料や想定Q&Aの作成や、投資家との実際のミーティング、投資家にとって魅力的なデータの調査など、初めての経験も多くありました。個人的には、新しく経験できることで身につけるスキルと自分の今までの経験や知識を活かしてできることのバランスをうまくとれるような仕事をさせてもらえることがありがたいなと感じています。

小田さん
 僕は現在法務の仕事はゼロで全くやっていないわけですが、法律事務所で培った論理的思考力は活きていると思います。法律家としての専門知識そのものは業務に直接的には活きていませんが、でも、それがやりたかった。キャリアを形成していく上で、これまでのキャリアの延長戦上でだけ挑戦していると、最後にできあがる人間の像はそこまで大きくならないなと。全くやったことがないことをやって、別の能力を伸ばしたほうが、最後にできあがる像が大きくなる気がしました。スティーブ・ジョブズ的に言うと、ドットをなるべく遠くに置きたかったっていうイメージです2。あとで繋がった時に全体の絵が大きくなるように。これ、完全に右脳的な表現ですね(笑)。

田丸さん
 僕は現在、法務が6〜7割で、3〜4割は自社サービスの事業に関わっています。メドレーでは、ドクターが症状の安定した患者で遠隔でも適切な診察ができる患者に対して、ビデオチャットで診察を行う遠隔診療サービスである「CLINICS」を提供しています。このサービスを展開していくには、いろいろなプレイヤーと組みながらやっていくことが大事ですので、法務以外の仕事としては、事業提携を目的とした外部パートナーシップへの営業やプランづくり、事業計画、営業企画などを行っています。
 いわゆる法務の仕事でなくても、リーガルマインドは活きています。弁護士は、あることをする時に、法的に正しいのか正しくないのか、法律に書いていなくてもフェアなのかフェアじゃないのか、といったことを考えます。それってビジネスをやる上でとっても大事。特に医療の業界は、そういった判断がより重要となります。いろいろな営業マンが、「こういうやり方をして導入したい」ということに対して、ダメだと言わずに「法的にこう考えたら、こう対応すればいけるはずだ」ということを提案します。
 事業を1つ1つつくっていく時に、法律を知っているか知っていないかは大事です。踏んじゃいけない地雷を踏んじゃったりすることがけっこうある業界なので、法的なものの考え方が経営を行っていく時にも活きてくるように思います。

株式会社メドレー 法務統括責任者 田丸雄太さん

株式会社メドレー 法務統括責任者 田丸雄太さん

転職してワーク・ライフ・バランスはどうなりましたか。

小田さん
 労働時間は短くなりました。特に土日。今の仕事が好きなので、土日も事業のことは考えていますが、時間的な拘束はないので、そういう意味ではワーク・ライフ・バランスは改善されています。
 僕自身が一番よかったと思うのは、やりたいことをやっているので、働いている感覚がなくなったということです。以前は、心のどこかで自分が本当にやりたいことは別にあると思っていたので、精神的に難しいこともあったのですが、今はあっという間に1日が過ぎて、帰りの電車でもずっと事業のことを考えているくらいです。

田丸さん
 机の前で作業したり、ミーティングする時間は日によりますね。ただ、法律のことばっかりというよりは、この会社をどうしていこうとか、制度をどうつくろうとか、このメンバー同士でうまく組み合わせられるかといった、人事だったり、経営だったりの目線で考えることもあり、仕事のことを考えていて取られている時間は長いかもしれませんが、仕事してる感があんまりなく、充実しています。

岡本さん
 ワーク・ライフ・バランスが改善されたところとしては、オフィスにいないといけないといったフィジカルに縛られる時間が少なくなり、フレキシブルになりました。予定があれば平日早くオフィスを出ることもできますし、逆に夜や休日時間がある時は、家で仕事に関する調べ物をしている時もあります。縛りがなくなったことが一番大きいです。

サンクコストと捉えたことはありませんでした – 岡本さん

また法律事務所に戻りたいと思うことはありますか。もしくは、戻るかもしれないという気持ちはありますか。

小田さん
 一切ありません。今後そういう気持ちになる気もしません(笑)。

田丸さん
 僕は法律事務所に帰ったら負けだなと思ってこの世界に入ったので、戻ることはないでしょう。「うまくいかなかった時に5〜10年経っても田丸は資格があるから事務所に戻れば食っていけるよね」と言われ、「それをやったら負けだと決めよう」と思って決めました。
 でも、自分の法律事務所を開業したら、許して(笑)。

岡本さん
 いつか戻るかもしれないと思う時もあります。今、会社の中でやっていることは、もし弁護士に戻っても必ず活きる経験だと思っています。例えば、スタートアップの中で資金調達した経験は、リーガル目線でアドバイスする時に役に立つことがあると思います。

田丸さん
 僕らが経験していることを法律事務所へ戻って、自分で開業してクライアントにアドバイスしたら、すごいお金になる気はします(笑)。

小田さん
 雇用の流動化という意味でも、これまであまり例がありませんでしたが、弁護士が事業会社の事業部門に行くというキャリアや、逆に事業会社から法律事務所に戻るというキャリアもあっていいと思います。あらゆる可能性を排除する必要はないかなと。

岡本さん
 雇用の流動化という部分で言うと、メルカリでは副業が可能となっていて、例えばエンジニアの方で休日に友人などの会社のアプリ開発を手伝っている方もいます。私の場合は、例えば、土日などを利用して、友人のスタートアップの利用規約をつくったり、投資契約を作成・レビューしたりというリーガル面でのサポートを行っています。今の会社での経験もあるので、リーガル面だけでなく、ビジネス面も含めてアドバイスできることがあると思っています。そういう意味では、弁護士としての活動は今でも継続的に行っています。

(ここで、ビズリーチ南社長から、イベントに参加していたみんなのウェディング社長で弁護士の石渡さんに質問)弁護士の時にやっていた仕事と上場企業の社長でやっている仕事の違いを教えてください。

石渡さん
 僕自身はプロ野球やスポーツ、ITの仕事をやっている弁護士だったけど、IT企業の経営者になってやることは違うし、よくわかんない人生だなと思っています。
 けど、弁護士であることで得したことはけっこうあって、特に30代はけっこう得しました。普通に考えたらやらせてもらえないことをやらせてもらえて、そういう意味では「弁護士ありがとう」と思っています。
 これまでいろいろな人と出会って、IT業界の経営者はみんなすごいなって思うのと同時に、法律の業界でもすごい奴はたくさんいるなと。他方で、法曹界の人間は、弁護士であること、法曹であることによって、むしろ自分の将来を絞っていっているような気がします。バッジを付けていることに縛られない人生を選ぶのは、1個の悪くないチョイスかなと思います。 ちなみに、僕が弁護士として独立したての頃は部下に秘書が1人、アソシエイトが2人。会社に行くと100人とかすごい数の人がいて、組織マネジメントはやったことがないからそういうところは必死に学ばなければならない。いずれにしても経営者は全人格勝負みたいなところもあるので、究極人間力もあげないといけないし。
 経営判断は、問題を整理して選択式化してわかりやすくすることで、弁護士がよくやること。経営を目指す人には弁護士は悪くないと思います。
 ただ、僕が最初の事務所でボスから言われた「弁護士として大事なこと」は、①秘密を守る、②リスクを取らない、ということ。経営者はリスクを取らないといけない、意思決定しないといけない、そこは大いに違いがあります。

田丸さん
 僕が転職を考えた時に、石渡さんにお話を聞かせてもらったんですが、その時に言われたことが僕の転職の意思決定に影響を与えています。石渡さんは、弁護士出身の経営者で、弁護士のキャリアに縛られない僕のロールモデルの1人なんですが、「どうすれば石渡さんみたいになれるんでしょうか?」と聞いたところ、「僕がすごいわけではなくて、やりたいなと思ったことに対して、あんまり気にせずに突っ込んでいける能力が、人よりちょっと高かっただけ」と言われました。
 そこって意外とすごく大事で。弁護士のキャリアは失うものが多いので。「2〜3年やってダメだったら戻ればいいじゃん、どっちでもよくない?そこに保険かけてもしょうがないよ。もっと自分にできることがあるはずと思うなら、飛び込んでみたほうが、とりあえずはまだ若いしいけるんじゃない」と言われ、勇気付けられました。

僕も石渡さんのつてで、弁護士だけれどベンチャーへ転職した立場なんですが、スタートアップへ転職するにあたって、サンクコスト(埋没費用)について悩むと思うのですが、どう折り合いをつけましたか。

小田さん
 3人の中で僕が一番サンクコストが高いとみられるかもしれないですが、将来のことを意思決定するにあたってサンクコストを考えてはいけないと思うので、無視しました。僕は、これからの人生を過去の自分によって制約されたくなかったので、自分の中で純粋にやりたいことは何かを考えた結果、ビズリーチへの転職を決めました。自分の直感に正直に、サンクコストは一切考えませんでした。

田丸さん
 アメリカの企業ではゼネラル・カウンセルなど弁護士出身の経営で活躍する人がいます。もともと、弁護士でキャリアを積んで将来的にいろいろなところに飛び立とうと思っていたので、何かがサンクした感じはありません。

岡本さん
 私はM&Aロイヤーとして働いていましたが、M&Aがたくさんできる会社に行きたいとは、あまり思いませんでした。M&Aや法規制に関する最新の法知識というよりも、培ってきたリーガルマインドそのものはどんな分野に行っても活かせる部分があると思っていましたし、サンクコストという風に捉えたことはありませんでした。

株式会社メルカリ Legal/Finance 岡本杏莉さん

株式会社メルカリ Legal/Finance 岡本杏莉さん

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 イベント参加者の質問内容からも、スタートアップで働くことへの関心の高さが伺えます。弁護士に関わらず、キャリアの選択肢はこの数年で大きく広がり、変化してきています。これまでの「弁護士の在り方」にとらわれない、彼らの新しいチャレンジは、今後の法曹界に大きく影響を与えていくように感じます。



(取材、構成:BUSINESS LAWYERS編集部)

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