要配慮個人情報とは

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 改正個人情報保護法では、機微情報(センシティブ情報)について、「要配慮個人情報」として定められるとのことですが、その具体的内容と規制について教えてください。

 「要配慮個人情報」には、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実等が該当し、あらかじめ本人の同意を得ないで取得することが禁止されます。

解説

目次

  1. 「要配慮個人情報」について改正された背景
  2. 要配慮個人情報の定義と規制の概要
  3. 要配慮個人情報に該当するもの
    1. 人種(改正個人情報保護法2条3項)
    2. 信条(改正個人情報保護法2条3項)
    3. 社会的身分(改正個人情報保護法2条3項)
    4. 病歴(改正個人情報保護法2条3項)
    5. 犯罪の経歴(改正個人情報保護法2条3項)
    6. 犯罪により害を被った事実(改正個人情報保護法2条3項)
    7. 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること(改正個人情報保護法施行令2条1号、個人情報保護法施行規則5条各号)
    8. 本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(下記3-9において「医師等」という)により行われた疾病の予防および早期発見のための健康診断その他の検査(下記3-9において「健康診断等」という)の結果(改正個人情報保護法施行令2条2号)
    9. 健康診断等の結果に基づき、または疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師等により心身の状態の改善のための指導または診療もしくは調剤が行われたこと(個人情報保護法施行令2条3号)
    10. 本人を被疑者または被告人として、逮捕、捜索、差押え、勾留、公訴の提起その他の刑事事件に関する手続が行われたこと(犯罪の経歴を除く)(改正個人情報保護法施行令2条4号)
    11. 本人を少年法3条1項に規定する少年またはその疑いのある者として、調査、観護の措置、審判、保護処分その他の少年の保護事件に関する手続が行われたこと(改正個人情報保護法施行令2条5号)
    12. 遺伝子検査結果等のゲノム情報
  4. 要配慮個人情報に該当しないもの
    1. 本籍地
    2. 国籍
    3. 反社会的勢力に該当する事実
    4. 運転免許証の条件等・臓器提供意思の確認欄
    5. 労働組合への加盟・性生活
    6. 介護に関する情報
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情報管理をめぐる社会動向と危機管理

※本QAの凡例は注の通りです。

「要配慮個人情報」について改正された背景

 EUデータ保護指令においては、機微情報(センシティブ情報)を取得することが原則として禁止されています。日本がEUから「十分性の認定」を得るためには、この定めを法律上定める必要があり、今回の改正へとつながりました。

 参照:「個人情報保護法改正の背景と概要

要配慮個人情報の定義と規制の概要

 「要配慮個人情報」とは、「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」をいいます(改正個人情報保護法2条3項)。
 個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合等一定の例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはなりません(改正個人情報保護法17条2項)。

要配慮個人情報に該当するもの

 要配慮個人情報には以下のものが該当します(改正個人情報保護法2条3項、改正個人情報保護法施行令2条各号、個人情報保護法施行規則5条各号、GL(通則編)2-3)。

人種(改正個人情報保護法2条3項)

 人種、世系または民族的もしくは種族的出身を広く意味し、「アイヌ人」、「在日韓国・韓国人」のような情報がこれに該当します。なお、単純な国籍や「外国人」という情報は法的地位であり、それだけでは人種には含みません。また、肌の色は、人種を推知させる情報にすぎないため、人種には含みません。

信条(改正個人情報保護法2条3項)

 個人の基本的なものの見方、考え方を意味し、思想と信仰の双方を含むものです。

社会的身分(改正個人情報保護法2条3項)

 ある個人にその境遇として固着していて、一生の間、自らの力によって容易にそれから簡単に脱し得ないような地位を意味し、単なる職業的地位や学歴は含まれません。

病歴(改正個人情報保護法2条3項)

 病気に罹患した経歴を意味するもので、特定の病歴を示した部分(例:特定の個人ががんに罹患している、統合失調症を患っている等)が該当します。

犯罪の経歴(改正個人情報保護法2条3項)

 前科、すなわち有罪の判決を受けこれが確定した事実が該当します。

犯罪により害を被った事実(改正個人情報保護法2条3項)

 身体的被害、精神的被害および金銭的被害の別を問わず、犯罪の被害を受けた事実を意味します。

身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること(改正個人情報保護法施行令2条1号、個人情報保護法施行規則5条各号)

 次の(1)から(4)までに掲げる情報をいいます。この他、当該障害があることまたは過去にあったことを特定させる情報(例:「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づく障害福祉サービスを受けていることまたは過去に受けていたこと)も該当します。
 これらが要配慮個人情報とされたのは、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律8条および障害者の雇用の促進等に関する法律35条等の他の法令においても、障害を理由とした差別や権利利益の侵害を禁止していることを勘案するものです。

(1)「身体障害者福祉法別表に掲げる身体上の障害」があることを特定させる情報

  • 医師または身体障害者更生相談所により、別表に掲げる身体上の障害があることを診断または判定されたこと(別表上の障害の名称や程度に関する情報を含む)
  • 都道府県知事、指定都市の長または中核市の長から身体障害者手帳の交付を受けならびに所持していることまたは過去に所持していたこと(別表上の障害の名称や程度に関する情報を含む)
  • 本人の外見上明らかに別表に掲げる身体上の障害があること

(2)「知的障害者福祉法にいう知的障害」があることを特定させる情報

  • 医師、児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、障害者職業センターにより、知的障害があると診断または判定されたこと(障害の程度に関する情報を含む)
  • 都道府県知事または指定都市の長から療育手帳の交付を受けならびに所持していることまたは過去に所持していたこと(障害の程度に関する情報を含む)

(3)「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律にいう精神障害(発達障害者支援法第2条第2項に規定する発達障害を含み、知的障害者福祉法にいう知的障害を除く)」があることを特定させる情報

  • 医師または精神保健福祉センターにより精神障害や発達障害があると診断または判定されたこと(障害の程度に関する情報を含む)
  • 都道府県知事または指定都市の長から精神障害者保健福祉手帳の交付を受けならびに所持していることまたは過去に所持していたこと(障害の程度に関する情報を含む)

(4)「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律4条1項の政令で定めるものによる障害の程度が同項の厚生労働大臣が定める程度であるもの」があることを特定させる情報

  • 医師により、厚生労働大臣が定める特殊の疾病による障害により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受けていると診断されたこと(疾病の名称や程度に関する情報を含む)

本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(下記3-9において「医師等」という)により行われた疾病の予防および早期発見のための健康診断その他の検査(下記3-9において「健康診断等」という)の結果(改正個人情報保護法施行令2条2号)

 健康診断等の結果は、ある個人の健康状態が明らかとなる情報で、病気を推知または特定させる可能性があることを勘案して要配慮個人情報としたものです。
 疾病の予防や早期発見を目的として行われた健康診査、健康診断、特定健康診査、健康測定、ストレスチェック、遺伝子検査(診療の過程で行われたものを除く)等、受診者本人の健康状態が判明する検査の結果が該当します。

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