子どもの看護休暇取得にあたって企業として知っておきたいポイント

人事労務

 従業員から子どもの看護休暇を取得したいという申し出があったのですが、利用するケースが初めてです。子どもの看護休暇取得にあたって、企業として気をつけるべきポイントを教えてください。

 小学校就学前の子どもの病気などの際に取得される休暇であり、年5日(子どもが2人以上の場合は10日)を上限とし、一定の除外が認められています。2017年1月1日施行の育児・介護休業法改正により半日単位での取得が可能となりました。

解説

 以下、子どもの看護休暇取得にあたって、企業として気をつけておきたいポイントを5つ説明します。

ポイント①:小学校就学前の子どもの負傷・疾病・予防のための世話(健康診断や予防接種)のための休暇

 子どもの看護休暇は小学校就学前の子どもの負傷・疾病・予防のための世話(健康診断や予防接種)という目的で取得されます(育児・介護休業法16条の2)。
 有給休暇とすることは法律上義務付けられていません。年次有給休暇(労働基準法39条)とは別に付与する必要があります。
 なお、「子ども」の範囲について、2017年1月1日施行の育児・介護休業法改正により、従来の実子・養子に加え、特別養子縁組の監護期間中の子ども、養子縁組里親に委託されている子どもなどが新たに含まれることになりました(育児・介護休業法2条1号、育児・介護休業法施行規則1条)。

ポイント②:取得可能な日数

 取得可能な日数は、1年度において5日まで小学校就学前の子が2人以上の場合は10日までになります(育児・介護休業法16条の2第1項)。
 「1年度」の範囲は、会社において定めることができますが、特に定めをしない場合、毎年4月1日から翌年3月31日までとされています(育児・介護休業法16条の2第4項)。
 取得可能日数は、子ども1人あたり5日ではありませんので、留意してください。

ポイント③:1日単位または半日単位で取得可能

 子どもの看護休暇の利便性を高めるため、2017年1月1日施行の育児・介護休業法改正により、半日単位での取得を可能とすることが使用者に義務付けられました(育児・介護休業法16条の2第2項、育児・介護休業法施行規則34条1項)。
 「半日」とは、1日の所定労働時間の2分の1とされていますが、労使協定によりこれと異なる時間数を半日として定めることができます(たとえば、午前半日3時間・午後半日5時間など)(育児・介護休業法施行規則34条2項2号)。

ポイント④:一定の従業員は取得できない

 以下の従業員は、子どもの看護休暇を取得できません。なお、会社が取得を認めることは、可能です。

(1)日々雇用される者(育児・介護休業法2条1号)
(2)労使協定で定められた以下のいずれかに該当する者

①継続雇用期間が6か月に満たない者(育児・介護休業法16条の3第2項において準用する育児・介護休業法6条1項1号)

②1週間の所定労働日数が2日以下の者(育児・介護休業法16条の3第2項において準用する育児・介護休業法6条1項2号、育児・介護休業法施行規則30条の2、育児・介護休業法施行規則7条2号、平成23年3月18日厚生労働省告示58号)

 また、以下の従業員は、ポイント③で説明した半日単位での取得ができません。1日単位での取得は可能です。

(1)1日の所定労働時間が4時間以下の者(育児・介護休業法施行規則33条)

(2)労使協定で定められた、半日単位での取得が困難と認められる業務に従事する者(育児・介護休業法16条の3第2項において準用する育児・介護休業法6条1項2号)

 「子の養育又は家族介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成21年厚生労働省告示509号)において、「半日単位での取得が困難と認められる業務」の例が3つあげられています。

(a)国際路線などに就航する航空機において従事する客室乗務員などの業務など

(b)長時間の移動を要する遠隔地で行う業務

(c)流れ作業方式や交代制勤務による業務

 いずれも、半日単位での休暇の取得を認めると業務遂行が困難となることが必要です。なお、指針では、これら3つの業務は例示に過ぎないことが強調されていますので、個別具体的な検討が必要となります。

ポイント⑤:不利益取扱いの禁止と、子どもの看護休暇取得に関するハラスメントの防止措置

 子どもの看護休暇の取得を理由として、従業員に対して解雇その他不利益な取り扱いをすることは禁止されています。また、会社は、職場において、上司または同僚による子どもの看護休暇の利用に関する言動により就業環境が害されることを防止するための措置を講じなければなりません(育児・介護休業法16条の4において準用する育児・介護休業法10条)。


 上記のとおり、2017年1月1日施行の育児・介護休業法改正により、子どもの看護休暇の半日単位取得が可能となりました。会社としては、社内規程の改訂漏れなどにより誤った扱いがなされないよう、留意が必要です。

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