介護休業を取得できる期間

人事労務

 介護休業を取得できる期間について教えてください。

 対象家族1人につき3回以内かつ93日以内の範囲で取得が可能です。取得前の申出により開始予定日と終了予定日が決まりますが、これらが事後的に変更される場合があります。

解説

介護休業期間の上限

 介護休業の期間は、労働者が決めることができますが(育児・介護休業法15条1項)、上限があります。上限は2つあり、一つ目は、「対象家族1人につき3回まで」という回数制限です(育児・介護休業法11条2項1号)。二つ目は、「対象家族1人につき合計93日まで」という日数制限です(同項2号)。

 たとえば、事業主は、父親のための介護休業の4回目の取得申出についてはこれを認める義務はありません。また、父親のための3回目の介護休業であっても、1回目と2回目の介護休業においてすでに合計93日の休業をしている場合には、3回目の取得申出を認める義務はありません。

介護休業期間の上限

 なお、「対象家族1人につき3回まで」という回数制限においては、介護休業中の有期雇用労働者が有期雇用契約の更新に伴い更新後の雇用契約の初日から同じ対象家族のための介護休業を開始する場合の介護休業は、カウントされません(育児・介護休業法11条4項)

 さらに、異なる事業主における介護休業取得回数は、通算されないものと解されています。たとえば、会社Aで母親のための介護休業を3回取得した後、会社Bに転職したという場合、会社Bにおいて母親のための介護休業をさらに取得することは可能です。

 育児・介護休業法の平成28年改正前においては、介護休業の取得は一要介護状態ごとに原則1回に限り、93日まで取得可能とされていました。また、93日のカウントは、事業主が別途措置を行う所定労働時間の短縮措置等の利用日数と通算されることとされていました。平成28年改正法により、上記の通り変更されていますので、就業規則のアップデートが行われていない事業主においては留意してください

介護休業の申出期限

 労働者は、介護休業開始予定日どおり休業を開始するためには、その2週間前までに事業主に申し出ることが必要です。もしこれに遅れた場合、事業主は、申出日から2週間の範囲内で介護休業開始予定日を指定することができます(育児・介護休業法12条3項)

2週間前までに申出がなかった場合の例:
申出日 4月1日(月)
申出のあった休業開始予定日 4月8日(月)
事業主の指定可能範囲 4月8日(月)~4月15日(月)
※この例ですと、休業開始予定日を4月15日(月)以降とすれば、予定通り介護休業を開始することができるということになります。

 事業主は、上記の指定を、申出日の翌日から起算して3日を経過する日までに行う必要があります。上記の例では、4月4日(木)が期限です。ただし、申出日と休業開始予定日との間が短いことにより上記の期限まで待っていては間に合わない(休業が開始されてしまう)という場合には、事業主は、申出のあった休業開始予定日までに指定を行う必要があります(育児・介護休業法施行規則26条)。たとえば、上記の例で、申出のあった休業開始予定日が4月3日(水)であるときは、4月3日(水)が期限です。

 なお、上記の事業主による介護休業開始予定日の指定制度は、介護休業中の有期雇用労働者が有期雇用契約の更新に伴い更新後の雇用契約の初日から同じ対象家族のための介護休業を開始する場合の介護休業については、適用されません(つまり、申出自体は必要ですが、2週間前までに申し出なくとも更新後の雇用契約の初日から介護休業を取得できます)(育児・介護休業法12条4項)。

介護休業の終了予定日変更の申し出

 労働者は、1回に限り、事由を問わず、介護休業の終了予定日を繰り下げることができます(育児・介護休業法13条において準用する7条3項)。この場合、事業主に対して、申出済みの終了予定日の2週間前までに変更の申し出をする必要があります(育児・介護休業法施行規則27条)。

 なお、上記の「1回に限り」は介護休業ごとにカウントされるものです。したがって、たとえば、父親のための1回目の介護休業、2回目の介護休業それぞれについて1回繰り下げが可能です。

 また、繰り下げは可能であるものの、上記の、「対象家族1人につき合計93日まで」という日数制限は適用があります。

 介護休業開始予定日の繰上げ・繰下げ変更、介護休業終了予定日の繰上げ変更については、育児・介護休業法上、労働者の変更権は定められていません。

期間の終了

 介護休業は、原則として申出のあった終了日に終了します。ただし、以下の場合には、それよりも早く終了します(育児・介護休業法15条3項、施行規則30条)。

  1. 対象家族が死亡した場合
  2. 対象家族との親族関係が消滅した場合(離婚など)
  3. 労働者が負傷等により対象家族を介護できない状態になった場合
  4. 労働者に産前産後休業、育児休業又は新たな育児休業が始まった場合
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