【イベントレポート】法の"グレーゾーン"を登ってみる -法の「余白」で遭難しないために-(後編)

知的財産権・エンタメ

前回に引き続き、10月24日、東京都文京区のシェアオフィス&イベントスペース「ハーフハーフ」で開催されたArts and Lawが主催する「法の"グレーゾーン"を登ってみる -法の「余白」で遭難しないために-」の模様をレポートする。

同人誌、現代美術、ベンチャー企業、わいせつという切り口から、早稲田リーガルコモンズ法律事務所の永井 靖人氏、長島・大野・常松法律事務所の小松 隼也氏、株式会社ドリームインキュベータの下平 将人氏、シティライツ法律事務所の水野 祐氏の4名の弁護士が持論を展開した前半に続き、後半はそれぞれの発表内容を踏まえたトークセッションが行われた。

※前半の話題を踏まえた内容となっていますので、未読の方は「こちら」もご覧ください。

同人誌を作ることは私的利用なのか

早稲田リーガルコモンズ法律事務所の永井 靖人弁護士が発表した、同人活動と著作権のグレーゾーンの話題から4人のセッションは始まった。前半では永井氏の身近な方が同人誌の創作活動をしていることから、同人活動をしている人の感覚では他人の著作物を「私的利用」しているのでは、と持論を展開したが、他の3名はどう受け止めたのだろうか。

水野氏
同人活動が私的使用に近いという考え方はわかるけど、サイト上で有料販売したり、コミケで販売していることについては、どういう感覚を持っているのでしょう。

永井氏
自分で発行して有料販売していた作品でも、一定期間が経つとウェブでアップして無料で見られるようにしていて、同人誌で利益を出そうとは思っていない。そうすることで自分の正当性を主張しようとしているのが素朴な感覚ですね。

小松氏
一緒に住んでいる父親との距離感よりも、この作品を好きな人との距離感の方が近い、私的利用の範囲が近いみたいな感覚ってないんですか。

永井氏
家族に自分が持っている本を貸すこともあると思いますけど、その感覚に近くて、自分と同じ趣味を持っている、より仲良く話せる、交流できる人を探したいという説明をしますね。

小松氏
同人業界全体としてはフェアユースにすごい力を入れているじゃないですか。作家さん個人間で温度差はありますか。

永井氏
いわゆる大手とそうでない人たちで、温度差はあるなと思います。売上や利益を出す人たちは注目を集めますけど、決してマジョリティではないですね。
コミケって年2回開かれるあのイベントを想定しますが、もっと草の根的な小さなイベントは無数に行われていて、そこの方が実は同人文化の多数ではないか、という感覚です。

小松氏
現状、著作権者が同人誌に対して、気に入らないところだけ訴えるというのは、可能なわけですよね。狙い撃ちが可能な状態だけど、そういう問題意識はあまりないでしょうか。

下平氏
ポケモンでも訴えられたことありましたよね。

永井氏
そこも非常にナイーブな話で、印刷所は特定の会社、何社かの著作物を基にした同人誌の印刷を受け付けないという運用がされていて、印刷所のホームページを見ると、「こういうジャンルのものはやりません」という注意書きをしています。

水野氏
著作権もわいせつも、印刷所や美術館、ギャラリストとか他人を巻き込むと、なかなか貫き通すのは難しいところですよね。自分だけならいいけど、関係者も罪に問われうるので。

早稲田リーガルコモンズ法律事務所 弁護士 永井 靖人氏、シティライツ法律事務所 弁護士 水野 祐氏

左から、早稲田リーガルコモンズ法律事務所 弁護士 永井 靖人氏、シティライツ法律事務所 弁護士 水野 祐氏

リチャード・プリンスは著作権をアップデートしようとしている

前半で、長島・大野・常松法律事務所の小松 隼也弁護士が紹介したアメリカの現代芸術家リチャード・プリンスについては話題が尽きず、裁判での弁論の模様、著作権に対するスタンスなどについて議論が交わされた。

小松氏
アプロプリエーションはコンセプトが一番中心にあって出来ているものなのに、リチャード・プリンスの裁判を経て、裁判所が作家の主観を排除してフェアユースかどうか判断するのはかなり問題なのでは、という批判があります。
実際にリチャード・プリンスの事件の後、地方裁判所が主観を排除して判断を行なった例はほぼなくて、8割近くは主観を判断しているから、事実上の運用はそんなに問題にはなっていないのですが。

水野氏
リチャード・プリンスの証人尋問だけをまとめた本1があって、弁護士が誘導尋問的に「この作品の意味は?」とか訊いているんですよ。弁護士としては、フェアユースに関する従来の判決を踏襲して、「作品にどういう新しい価値が加わってるのか」、「どういう批評性があったのか」を法廷で言ってほしくて、そういう質問をするんだけど、リチャード・プリンスは「作品には何の意味はない」って言い続けていて(笑)。カッコいいんですよね。

小松氏
リチャード・プリンスはアメリカにいる時に会ったんだけど、全然作品とは違って、いや本当もうね、寡黙なダンディな紳士で、これはカッコいいなと思って。ただ弁護士としてはどうしようかと(笑)

水野氏
いつか違法になりたがってるよね(笑)

小松氏
リチャード・プリンス自身、著作権に対する闘いもあるんだろうなと思っていて。他人のインスタグラム画像を使用した作品2で、本当にコメント1個しかしてないのに、このコメントには全然意味がないのに、ニューヨークの裁判ではガチで闘っています。ソーシャルネットワークに支配された現代社会における…すぐケイオス(Chaos)とか使うんだけど、新しいコンセプトとして変容的(Transformative)になっているという考え方を強くしていて、著作権をアップデートしようとしているんだな、っていう感じはありました。

リチャード・プリンスがニューヨークのGagosianギャラリーで開催した「New Portraits」(2014年)の展示の様子

出典:リチャード・プリンスがニューヨークのGagosianギャラリーで開催した「New Portraits」(2014年)の展示の様子

(ここで客席から質問が入ります)

客席
アップデートしようとしているのは、アートじゃなくて著作権なんですか。

小松氏
たとえば、ガゴシアン・ギャラリーのステートメントの中に著作権に関する言及は必ず入っていたので、作品のコンセプトの中に著作権が入っているのはおそらく間違いないと思います。

事業におけるグレーゾーン

同人誌、現代美術と表現の話から一転、株式会社ドリームインキュベータの下平 将人氏が発表したビジネスにおけるグレーゾーンの話題にテーマは移った。途中、客席から寄せられた「規制はイノベーションを促進するか」という質問をきっかけに議論は加熱していく。

水野氏
下平さんの話も面白かったですね。

永井氏
僕の話との絡みでいうと、許されているのか許されていないのか曖昧な点に関して、アプローチをするという事は結構関係があるなと思いました。

水野氏
同人の方のアプローチはグレーゾーンを整理したり、自分たちの目的のためにグレーゾーンを進んでいくというよりは、もうやっちゃってる、という感じですよね。

永井氏
むしろグレーのままでいてほしい、という感じです。

水野氏
この空気はグレーゾーンの話ではよくあるけど、問題があることすら議論しないでほしいという事はある。風営法改正の時もあった話で、「法を改正する」とか言うと摘発されるから「何も言わないでくれ」っていうような。同じ業界の中でそういう意見を持つ人たちが出てきて、逆に身内に撃たれるみたいな空気はあるよね。

下平氏
事業もすごく似ている気がしています。行政側に深堀してヒアリングしてしまうと、やぶ蛇になってしまう部分もあったりして。ノンアクションレターですとか、グレーゾーン解消制度という制度自体はありますが、本当にグレーなものについては判定にもかなりの時間がかかる印象です。

水野氏
なかなか使える場面は限られてますよね。使い方も工夫しないとやぶ蛇になるし。経済産業省は、さらにレギュラトリー・サンドボックスという制度を新たに作って、そっちで全面的にやろう、みたいな流れもあります。

小松氏
ベンチャーでも「グレーゾーンを明らかにしないでくれ」という意見がよくあるじゃないですか。グレーゾーンは障壁が高くてブルーオーシャンだから。実際に日本企業にアンケートを取ると、確実に合法じゃなかったら手を出さない企業が8割くらいのはずで、グレーゾーンには2割くらいの企業しか弁護士の意見をとってチャレンジしない。
外資系企業は先に海外で市場を取って、市場を取るまではむしろグレーゾーンの話すらも出してくれるな、みたいな感じで。海外でリーディングカンパニーになってから日本でロビイングをして、気づいたら市場を全部取っている。こういう動きをしている外資系企業は結構あるような気がしています。

水野氏
それで日本企業も全部やられちゃうわけでしょ、遅い。そういう中で投資家が起業家に対してどうアドバイスするのか聞きたい。

下平氏
事業領域によって全然違いますが、本当に日本の規制が厳しい領域では、規制が緩やかそうな海外で事業をやった方がいいんじゃないですかって話はするかもしれませんね。日本のドローンのベンチャーの中にも、日本よりもアフリカの方がドローンを飛ばしやすいから政府と組んで実証実験を行っているというケースもあるようです。

小松氏
その時よく出てくるのが、中国だったら何でもありだから、中国で事業を始めて、ノウハウを蓄積して人員を超巨大化してからアメリカへ勝負しに行く企業が結構あって、そういう企業との勝負が日本企業はできないという話があるんですよ。それは中国に行けばいい。

下平氏
ただ、本当に経営者が日本社会を良くしたいと考えて、日本のマーケットを攻めたければ、日本で勝負すべきですよね。

水野氏
逆に一周してきて、日本で優位性をつくってから海外に出て行った方がやりやすいという意見も増えてきてますよね。これはもう宗教みたいな見解の違いですけど。

株式会社ドリームインキュベータ 弁護士 下平 将人氏、長島・大野・常松法律事務所 弁護士 小松 隼也氏

左から、株式会社ドリームインキュベータ 弁護士 下平 将人氏、長島・大野・常松法律事務所 弁護士 小松 隼也氏

意見書をめぐるグレーゾーン

小松氏
前半で、セカンドオピニオン、サードオピニオンを粘り強く取るって話があったじゃないですか。訴訟弁護士からすると結構危ないと思っていて。業法規制に引っかかって当局が入ってきた時に、弁護士意見書って責任を判断する材料にもなりますよね。
取締役は自分の取りたい意見を求めてくる事もあって、その意向に沿って意見書を書く弁護士もいれば書かない弁護士もいて、その辺の扱いというか、企業側でどういうことをしているのか、というところまではあまり知らなくて。それってすごい気になるな。

下平氏
意見書を1回取っちゃうと、おっしゃるとおりエビデンスになってしまいますよね。だから非常に慎重に取得すべきで、まずどのような意見書を書くべきかきちんと内々で打ち合わせをすべきかと思います。意見書を書いてもらうのは結構時間かかったりして、スピード感がでないときは電話でさくさくオピニオンを取ってしまうこともありえます。

小松氏
なるほど、それなら理解できる。

水野氏
すごい企業法務的な話になってきている(笑)。表現の話から急にビジネスの話じゃないですか。

小松氏
いやでも、すごいグレーゾーンですよ。

水野氏
Googleブックスの時に、外部の法律事務所の意見書が超重要な役割を果たしたというのは有名な話で、AirbnbもUberも現行法の中でどういう解釈ができるかというのは外部の有名な弁護士に意見書を求めていますよね。意見書をエビデンスとして、ビジョンとエビデンスで突っ切るみたいなイメージですね。

規制はイノベーションを促進するか

(ここで客席から質問が入ります)

質問者
僕は起業家で、起業家としては色々やりたいんですけど規制に抑圧されると思っていて、逆にイノベーションやクリエーションを加速させるような規制の使い方や例があったら教えてください。

水野氏
僕の視点からですが、適度な規制はあった方が市場の資本が投下されたり、大企業が入ってきたり、市場が活況化するという話はあるんですよね。過度な規制でなければ、市場を活性化させるというのは、可能性としてある。
たとえば、最近のドローンの改正、改正航空法ですね。僕はこの改正があまり良いとは思ってないですけど、前よりは活性化したんです。ただ、声が大きい人のルールが通りがちになって、適度な規制にならない事はありがちです。
仮想通過の改正、改正資金決済法とかも同様で、プレイヤーは増えて活性化したけど、銀行と組めないようなベンチャーは参入できなくなっている。

下平氏
水野さんも著書3で書いていた気がしますが、法律ってそもそも抽象度が高いものなので、ガードレールのようにラインが明確ではなくてモヤってます。もやもやしているところをどう知恵を生かして、うまく解釈するのか、という点は姿勢として重要かなと思います。過去にも色々ありますけど、やっぱりグーグルのスタンスはうまいですよね。

小松氏
日本は意外に進んでいるところがあるじゃないですか。海外と比較したら、実は日本しかできない事業があって。人工知能の分野に関しては、日本だけ海外の法律とちょっとズレていて、データ分析がビジネス上も出来る。日本の方が事業をやりやすい面もあるので、そこを狙っていくのは面白いですよね。
グレーゾーンを突き進む時に、大きな声を出すところが法律を作るのを待つのではなくて、弁護士やロビイストと一緒に法律を作っていく。法律を作りながらリーディングカンパニーを目指していくという発想も面白いと思っています。

下平氏
まさにドローンの領域でそれが当てはまると思います。楽天がアメリカのエアマップと提携して、千葉で実験をやっているじゃないですか。ちゃんと政府を巻き込んでいますよね。

水野氏
そういう事もそれなりの資本力や、声の大きさがあるところしか出来ないかな。

下平氏
資本力がなく声が小さいベンチャーのサポートはぜひしていきたいですね。

アートとグレーゾーン

質問者
アートの分野では、法がクリエイティブな方向に働く事例はありますか。

小松氏
アプロプリエーションは、他人の表現を使いたいという相談がほとんどなんですけど、日本はフェアユースがないので、やろうとしている作家が少ないですね。
ただ、「法律的に問題があってもやります」という作家がいて、「俺もそれを発表したい」という美術館があった場合には、発表のチャンスが増えるということはあるかもしれないですね。
あともう1つは、日本の法律がおかしいから「俺はアプロプリエーションを出すことで、日本の著作権を変えていく」みたいな作家が、少ないけどいます。そういう作家とは一緒にコンセプトから作りたいと思うし、弁護士もサポートして、変えていきましょうという議論が実際起きています。

水野氏
今、実はそこにトライしているのが1つあります。まだ十分にコミットというか、彼らもそこに尽力できているわけじゃないんだけど、「lute」っていうメディアがあって、何をやっているかはここでは言わないんですけど(笑)。
lute」のメディアポリシーを見てもらえると、彼らのトライをちょっと感じてもらえるかな。後で見てみてください。やっぱりコラージュはもうちょっと何かできる、何て言うか余白を作りたいなと思っていて。

小松氏
著作権とは違いますけど、市場活性化という意味で、アート市場の税制を変えることによってマーケットを大きくしたい。マーケットが大きくなれば、政治に声が届きやすくなるので。
美術品を買った時に税制優遇がついたり、美術品の価値が後から膨れ上がった時に相続で困って海外に売るのではなくて、国に寄付したら税額控除になる、という規制を作るために、美術館やギャラリー、コレクターと一緒に法律を変えるべくロビイングをやっています。

株式会社ドリームインキュベータ 弁護士 下平 将人氏、長島・大野・常松法律事務所 弁護士 小松 隼也氏

わいせつ表現の潮流

客席も交えて熱量を帯びたセッションは、シティライツ法律事務所の水野 祐氏が発表したわいせつ表現の話題に。判例で示されたわいせつの判断基準は美術館での展示にもあてはまるのか。そもそも、インターネットで検索ができる時代のわいせつ表現とは何か。問いを投げかけ、セッションは幕を閉じる。

永井氏
今日聞いていて面白かったのは、規範が変わってきている流れはあるんですかね。

水野氏
多少あるはずだけど、一方で性器が写っていれば即ダメっていう運用をしていると思われる例も実務上あるので、やっぱり怖いよね。

小松氏
悪徳の栄え事件も、メイプルソープ事件も作品の全体に対する割合で判断しているじゃないですか。美術館で展示をした時も同じように全体を見た判断をされるんですかね。

水野氏
そうあるべきだと思う。展示は単体で見られるものではないから、全体を見て判断してとはいいたいよね。

小松氏
そうだよね、だって本も写真集もそうだもん。

水野氏
芸術性緩和論みたいなものも古くは否定されていたけど。

小松氏
裁判所はほぼ認めてなかったじゃないですか。

水野氏
芸術性は違法性を減少させないというのが基本的なスタンスのはずだけど、わいせつに関してはあり得る流れになっている。ただ、裁判所は価値が新しく付いたとかというのをどう判断するか。メイプルソープだったからよかったけど、全然知らない人だったら、ねえ。

小松氏
フェアユースでもあって、リチャード・プリンスだったからよかったけど、若手の作家だから認められないというのはありますよね。

永井氏
そもそも、わいせつ性が違法だっていう考え方自体は通っているんですよね。

水野氏
完全にそうなんですけど、ナンセンスだと僕は思います。海外の流れのように、児童虐待とか女性差別みたいな表現を助長させるかどうか、という視点の方が合理化、正当化の根拠があるなと私自身は感じます。インターネットで検索すれば何でも出てきちゃうから、この時代に性器がわいせつとか言われても困るよね(苦笑)。

早稲田リーガルコモンズ法律事務所 弁護士 永井 靖人氏、シティライツ法律事務所 弁護士 水野 祐氏

4人の弁護士にとってのグレーゾーン

水野氏
今日はありがとうございました。皆さんの方でたぶん色々話したいことがあると思うんですが、最後にちょっと登壇者からグレーゾーンとは何だったのか聞きましょう。あなたにとってグレーゾーンとは?(笑)

永井氏
私にとってグレーゾーンって何でしょうね、身近過ぎますね(笑)

小松氏
グレーゾーンに関して、判断が立法から司法に移ってきているなと思うところもあって。自分自身が訴訟弁護士だからというのもありますが、すごい弁護士のチャンスが広がっている、ビジネスチャンスも広がっているな、という捉え方を最近はしています。

下平氏
どうしても起業家目線で見てしまうんですけど、グレーゾーンはチャンスであり、起業家としての姿勢が問われる試金石だなとも思っていて。どう知恵を出し合って、うまくマネージしていくか、そういう前向きな姿勢が問われるものかなと思っています。

水野氏
いわゆる法令順守的なことを唱える人たちには何ていう言葉をかけるんですか。

下平氏
そうですね、Be aggressive.ですかね。

水野氏
アーリー段階の投資家としては、そこはガンガンリスクをとっていくっていう。

下平氏
もちろん法的にダメなものは慎重に見極めるべきですけど、寄り添っていける存在でありたいですね。

水野氏
下平さんが言った事にも近いけど、グレーゾーンって法の遅れだと思っていて、法律は必ず現実の後追いしかできない。常に実態が先に進んでいて、グレーゾーンは実態と法律の間のことを指すと定義する。これはAirbnbの求人にあった言葉なんですが、グレーゾーンというのは、まさにチャンス。今の社会が抱える問題が集約される、そういう場所だと。だからむしろそこに積極的に取り組むことは、社会課題を発見し、解決することであり、そのチャンスなんだという捉え方を私たちはしています、と言っている。
西海岸らしい、何とポジティブな意見だろうとは思いつつも、一理あると思っていて。もちろんやってはいけないことをストップさせることは社会や弁護士の機能として重要ですが。アーティスト、企業、クリエーター、新しい価値を作っていく人たちが、積極的にグレーゾーンに取り組むこと、そういう目線を持つ人たちが1人でも増えることが大事なのかな、というふうに思っています。
すごい、まとめ感がある(笑)。

一同
素晴らしい(笑)


DEENEY’SのMacbeth(マクベス)
DEENEY'SのMacbeth(マクベス)

2時間に及ぶイベントの後は、9月に日本に初上陸した、Time Out Londonなどでロンドンのベストサンドイッチの一つに挙げられるDEENEY'SのMacbeth(マクベス)を提供。スコットランドの伝統料理「ハギス」をサンドしたスコティッシュな新しいホットサンドイッチとArts and Lawメンバーによるオリジナルレモンサワーを楽しみながら、登壇者、参加者たちによる交流の場が設けられた。
DEENEY’Sは広尾にある「ナショナル麻布スーパーマーケット」を拠点に、マーケットやケータリングなどで展開を予定しているという。

Arts and Lawの次回イベントは来年の1月11日に、弁護士の井上 乾介氏、弁理士の石渡 広一郎氏らを登壇者に迎え開催される予定だ。興味のある方は参加されてはどうだろうか。


  1. Greg Allen「The Deposition Of Richard Prince-in The Case Of Cariou V. Prince Et Al」(2013年3月6日) ↩︎

  2. 2014年、ニューヨークのGagosianギャラリーで展示された「New Portraits」。他人のインスタグラム画像をキャンバスに転写し、コメント欄のみリチャード・プリンスによって手が加えられたというもの。 ↩︎

  3. 法のデザイン - 創造性とイノベーションは法によって加速する」(フィルムアート社、2017年2月) ↩︎

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