意匠登録制度とは

知的財産権・エンタメ

 意匠登録制度とはどのような制度でしょうか。保護の要件や内容を教えてください。

 意匠登録制度は、形状・模様・色彩に関するデザインを保護する制度であり、特許庁に意匠出願をして、意匠登録されることにより、最長20年の保護を受けることができます。

解説

意匠登録制度とは

 「意匠」とは、物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいいます(意匠法2条1項)。

 意匠登録制度は、商品形態などの形状・模様・色彩に関するデザインを保護する制度です。新規で特徴的なデザインについて、意匠登録を受けることにより、独占的排他的に実施できるようになります。

 意匠登録の出願にあたっては1件につき16000円の料金がかかります(意匠法67条2項、別表)。また、意匠権を保持するには、年ごとに登録料(第1年から第3年まで8500円、第4年から第20年まで16900円)を納付する必要があり、意匠法で定める期間内に登録料を納付しなければ、意匠権は消滅します(意匠法42条1項、44条4項)。

意匠登録の要件

 意匠登録をするためには、まず特許庁に意匠出願し、審査を経る必要があります。そして、以下の要件を満たす場合に、意匠登録が認められます。

工業上の利用性が認められること(意匠法3条1項柱書)

 意匠法は、意匠の保護および利用を図ることにより産業の発達に寄与することを目的としているため(意匠法1条)、工業生産過程(機械生産・手工業は問いません)を経て同一物を量産できる(工業場の利用性がある)意匠でないと、意匠登録は認められません。

新規性があること(意匠法3条1項)

 意匠登録を受けるためには、新しい意匠である必要があり、日本または外国で公然知られた意匠(意匠法3条1項1号)、日本または外国で頒布された刊行物に記載され、もしくはインターネットで公開された意匠(意匠法3条1項2号)、またはこれらに類似する意匠(意匠法3条1項3号)は意匠登録を受けられません。

 ただし、公知になってから6か月以内に意匠出願を行えば、新規性喪失の例外規定(意匠法4条)により、意匠登録が認められる場合があります。

創作が容易でないこと(意匠法3条2項)

 新しい意匠であっても、創作が容易で、誰でも思いつくような創作性の低いものであれば、意匠登録は認められません。

先願意匠の一部と同一または類似でないこと(意匠法3条の2)

 意匠登録制度においては、特許制度と同様、先願主義により、先に創作をした者ではなく、先に出願をした者が保護されます(意匠法9条1項)。そのため、意匠出願前に、他者により同一または類似の意匠が出願されている場合には、意匠登録を受けることができません。

登録を受けることができない意匠ではないこと(意匠法5条)

 たとえ新規で特徴的な意匠であっても、以下の登録不許可事由を有する意匠は、意匠登録が認められません。

  • 公序良俗を害するおそれがある意匠(意匠法5条1号)
  • 他人の業務にかかる物品と混同を生ずるおそれがある意匠(意匠法5条2号)
  • 物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠(意匠法5条3号)

一つの出願に複数の意匠が表されていないこと(意匠法7条、一意匠一出願)

 意匠登録出願は、一意匠ごとにしなければならず(意匠法7条)、一つの出願に複数の意匠が表されている場合は意匠登録を受けることができません。

保護の内容

 意匠登録がなされると、意匠権者は、業として登録意匠およびこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する(意匠法23条)とされ、当該デザインについて独占的排他的に実施する権利を得ることができます。

 意匠について「実施」とは、意匠に係る物品を製造、使用、譲渡、貸渡し、輸出、輸入、譲渡・貸渡しの申出等をすることをいいます(意匠法2条3項)。保護期間は最長20年です(意匠法21条1項)。

 意匠登録をすることにより、他者がそのデザインを模倣し、同一または類似の製品を製造販売した場合、差止めと損害賠償を請求することができます(意匠法37条、39条)。

  • facebook
  • Twitter

関連する実務Q&A

関連する特集

知的財産権・エンタメの人気実務Q&A

  1. 著作権侵害とわかった商品を保管しても大丈夫か
  2. 退職した社員が作成した資料を使っても著作権の問題はないか
  3. 意匠登録制度とは
  4. 商品形態模倣に該当する場合とは