グローバル企業で機能する内部通報制度を構築するにはPR 不正の告発に絞って通報を吸い上げる体制をサポート

危機管理・コンプライアンス

企業不正に対する目は世界的に厳しくなっています。従業員によるマスメディアへのリークや、その後の当局からの摘発といった一次的な対応に翻弄されるだけでなく、多額の課徴金や、ブランドの毀損、顧客や株主からの訴訟提起といった長期的なリスクにも対応が必要となります。

本稿では、企業における「内部通報制度」の実態や最新動向、不祥事のリスクについてご説明し、内部通報窓口の適正な運用に悩むグローバル企業のみなさまをサポートする、デロイト トーマツ リスクサービスの外部通報窓口「グローバルホットライン(GFプラン)」をご紹介します。

目次

  1. 内部通報制度の実態と不祥事のリスク
  2. グローバル企業における内部通報窓口
  3. デロイト トーマツが提供する「グローバルホットライン(GFプラン)」

内部通報制度の実態と不祥事のリスク

内部通報制度の実態

デロイト トーマツ リスクサービス株式会社による2017年5月の調査(有効回答221社、うち海外に進出をしていると推定される企業は132社)では、国内外における内部通報制度の設置状況は以下の結果となりました。

通報窓口の有無

内部通報窓口を設置している:218社(有効回答221社の99%、2016年調査では94%)

海外通報の窓口

海外からの通報を受け付ける窓口をすでに設置している:80社(海外に進出をしていると推定される企業132社の60.6%、2016年調査では50.4%)
※端数処理をしているため、合計値は100%ではありません

グローバル内部通報制度 設置検討の有無

グローバル内部通報制度の採用を検討している:93社(海外に進出をしていると推定される企業132社の70.5%、2016年調査では46.5%)

「通報窓口がある」という回答は218社99%、ほぼすべての企業において内部通報窓口が設置されています。
また、「海外通報の窓口を設置している」、「グローバル内部通報制度の設置を検討している」という企業はいずれも増加しており、頻発している海外子会社などの不祥事への対応や、贈収賄防止、あるいは不正競争防止関連の法規制における課徴金の減免を期待するリスクマネジメント施策の一環として、グローバル内部通報制度に関心を寄せている企業の姿勢がうかがえます。

しかし、内部通報窓口を設置することはできても、適切に運用することは簡単ではありません。それどころか、窓口を設置したものの、内部通報の担当者・利用者双方に不満が生じ、制度自体が形骸化しているというケースも少なくありません。

内部通報の機能不全が招くリスク

昨今、品質不正や社員の横領といった不正が相次いで発覚しています。

【2017年に発生した不正事案の例】
  • 食品大手企業社員による横領
  • 不動産大手企業の子会社による営業利益の水増し
  • 自動車製造大手企業での無資格従業員による新車完成検査
  • 金属製造大手企業の品質データ偽装

これらの不祥事の一部は、各企業の従業員によるマスメディアや監督官庁など社外への内部告発によっても発覚しています。

社外への内部告発という形で明るみになる前に社内で不正を発見できれば、リスクを減らすことができるため企業として望ましいかたちであることは確かです。しかし、上記のような事例を見る限り、多くの日本企業では内部通報制度が不正発見のために機能しているとは言いにくい状況となっています。

内部通報担当者の疲弊

公益通報者保護法の施行以降、社内窓口・外部窓口を含め、多くの企業が相次いで内部通報窓口を開設しています。公益通報者保護法ガイドライン1において「敷居が低く、利用しやすい環境」、「法令違反のほか、内部規程違反等」を受け付ける体制の整備が推奨されていますが、実際に企業の窓口においては公益通報には該当しないものも含めたさまざまな情報が寄せられています。そしてその多くが大別すると、公益通報や法令違反には分類できない不平不満や悩み事の相談といったES(従業員満足度)に関するものであるため、対応に追われる担当者が疲弊してしまうという問題もあります。

内部通報担当者の疲弊

不満に対処するには社内の込み入った人間関係に立ち入る必要があり、匿名の通報では解決が困難です。一方で、公益通報や法令違反に該当するような不正の情報を吸い上げるためには匿名での通報を可能としなければ、報復をおそれる従業員が所属企業へ通報を寄せることはないでしょう。

したがって、不正の告発は匿名も受け付ける内部通報制度で対応し、不平不満の相談には原則氏名開示を求めた上で、内部通報とは異なるプロセスで対応するといったように、制度を適切に設計し直す時期が到来していると言えます。

グローバル企業における内部通報窓口

広がるグローバルリスク

ビジネスのグローバル化が進む現代においては、企業が直面するリスクも多様化・複雑化しています。
外国法の中には、米国FCPAや英国UKBA2に代表されるように、国外企業が自国外の外国公務員へ行った贈賄行為も域外適用により処罰する旨を明確に定めているものがあります。実際、米国FCPAが日本企業に適用された結果、企業に対する巨額の罰金に加え、贈賄を行った個人に対して拘禁刑が言い渡された事案も発生しています。

また、各国の独占禁止法/競争法規制においても多額の課徴金事案が発生しており、グローバルにおける日本企業のリスクは増加の一途を辿っています。

海外拠点におけるマネジメントの課題

海外におけるガバナンス体制を確立し、不正を未然に防ぐことは企業のリスクマネジメントにおいて重要ですが、ガバナンスに課題を感じる企業は多くあります。

海外拠点の経営や管理を日本からの駐在員ではなく現地の要員に移譲するケースが増え、不正行為を日本本社が検知するリスクマネジメント施策に注目が集まり、グローバル内部通報制度の導入を検討している企業も増加しています。

海外拠点におけるマネジメントの課題

また、海外拠点も含めた共通の制度とすることで、各国におけるペナルティのリスクを統合して軽減するというメリットを享受することが可能となります。

言語・文化の壁、現地法規制の調査

その一方で、複数の国や地域にまたがってグローバル内部通報制度を導入する際には、様々な問題が生じる可能性があります。異なる言語・文化から生じる問題はもちろんのこと、各国における現地法規制の調査、把握の必要性は、国内の内部通報制度にはない大きな課題です。

現在、日本でも、公益通報者保護法の改正が検討されていますが、このような法規制の最新状況について各国の拠点ごとに漏れなく調査・対応するとなれば、多大なコストと時間を要することとなります。

デロイト トーマツが提供する「グローバルホットライン(GFプラン)」

不正に関する通報のみを受け付けてクライアント企業に報告

今回ご紹介するデロイト トーマツ リスクサービス株式会社が提供する「グローバルホットライン(GFプラン)」は、多言語対応の内部通報の受付窓口で、国内だけでなく海外拠点からの内部通報も受け付けるサービスです3

GFプランは、「不正を告発する」通報のみを受け付けて、クライアント企業に報告します。不正を告発する通報とは「次の行為が社内で行われている」と主張する通報を指します。

  1. 横領・背任等の違法行為が行われている
  2. 贈収賄が行われている
  3. 談合、価格協定が行われている
  4. 粉飾決算などの会計不正が行われている
  5. マネーロンダリングやインサイダー取引等の金融犯罪が行われている
  6. 過失ではない監査不正による不正行為が見逃されている

グローバル不正プラン GFの通報から報告までの情報の流れ

※DTRS:デロイト トーマツ リスクサービス株式会社

通報者から通報があった場合、不正を示唆する通報のみクライアント企業にレポートしますので、企業担当者は不満への対応に追われることなく、リスクの高い通報に対応することが可能となります。

対象外の通報を受信した場合は内部通報レポートを作成せず簡単なメモを作成し、お客様へ報告します。

GFの対象通報(不正)識別フロー


【内部通報レポートの項目】

項目 記載内容
連絡履歴 複数回に及ぶ通報者と会社のやりとりを全て記録し、概要を表紙にまとめます
通報概要 受付番号、会社名、通報者と被通報者に関する情報、受信日時、通報手段、対応者名
その他情報 問題が起きた時期、頻度、特記事項(類似案件)、相談した者の名前
リスクレベル 通報内容(通報者の申し出に基づく情報)から判断されるリスクレベルを記載
通報内容 相談者による通報内容。できる限り事実に基づき、原語と翻訳で記載
通報者と会社のやり取り 通報内容に基づいたお客様企業側の対応、通報者からの要望など、原語と翻訳で記載

多言語対応

現代のビジネスシーンにおいて英語が世界の共通言語となっているとはいえ、海外拠点のすべての従業員が英語を流暢に操ることができるとは限りません。このような場合に、従業員自身の母国語での通報を受け付けることができるとすれば、不正を発見する可能性は大いに高まります。

「グローバルホットライン(GFプラン)」では、日本語、英語、中国(簡体字標準語)といった基本言語に加え、オプションとして中国語(繁体字標準語)、韓国語、ベトナム語など11言語を利用することができます。このように多言語に対応したグローバル内部通報窓口を設置することにより、より有効な活用を見込むことができます。

各国の関係法令の調査、専門家への相談も可能

「グローバルホットライン(GFプラン)」では、内部通報制度の導入・運用にあたって必要となる各国の関係法令について事前に調査し、下記の項目をレポートするオプションプランも利用可能です。

レポート内容
規制法律の有無(制度設計を義務付ける法律も含む) 左記の法令や規則等の中で、規制当局への届出が必要な場合の手続き
企業秘密の移転に対する規制および充足すべき要件
個人情報の移転に対する規制および充足すべき要件
従業員(または労使協議会など)による承諾の要否

関係法令対応 調査•助言サービスの仕様イメージ

また、金銭の不正事例に詳しい専門家や、弁護士依頼者間の秘匿特権にも対応可能な弁護士からアドバイスを得ることも可能です。各国の規制に準拠した内部通報制度の構築から、運用をサポートする幅広いオプションを備えていることも「グローバルホットライン(GFプラン)」の特長の一つです。

このようなオプションを利用することにより、各国法規制の調査対応コストを大幅に削減することができます。

不正相談サービスのイメージ

法務相談サービスのイメージ

料金体系

ご契約は最短3か月で、料金表は以下のとおりです4

GF 基本言語
(日本語、中国語(簡体字標準語)、英語を選択)

1言語(万円)

2言語(万円)

3言語(万円)

3か月利用時の
単価

1年利用時の
単価

3か月利用時の
単価

1年利用時の
単価

3か月利用時の
単価

1年利用時の
単価

初期費用

40

20

50

25

60

30

運用費用

16/月

8/月

18/月

9/月

20/月

10/月

基準件数

12件/年

導入企業の声

すでにGFプランを導入した企業担当者からは、以下のような評価を得ています。

  • 日本本社が海外現法で全般的に発生する人間関係のもつれや労務問題を解決することは慣習や距離の問題から難しい。不正を示唆しない通報を除外することで、本当に深刻な通報だけに集中することができる。
  • 機能を限定することで、拠点数や対象人数によらず一定の低コストでグローバル内部通報窓口を設置できるGFプランはさまざまな面で当社の状況に合っていた。
  • 万が一大規模かつ慎重なグローバル不正調査が必要となったときは、デロイトの不正調査部隊による支援がスムーズに追加導入可能なため安心。

海外拠点を含めた自社の不正や不正の芽を迅速に把握し、自社の損害を最小限に抑えるためには、内部通報制度の活用は必要不可欠です。

こうした中で、自社内ですべてを完結しようとすると、担当部署は進出地域全般から寄せられる多様な通報に対応しきれなくなり、制度の形骸化や機能不全を来しかねず、迅速な対応も望めません。

多言語に対応したグローバル統合窓口を設置でき、組織不正の告発に限定して通報を受け付けるデロイト トーマツ リスクサービスの「グローバルホットライン(GFプラン)」は、内部通報制度の円滑な運用をサポートする、非常に有用なサービスと言えるでしょう。

【お問い合わせ先】
デロイト トーマツ リスクサービス株式会社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル8階

電話(担当者直通) 090-9813-1660(亀井)
          090-8345-2698(和田)

(構成:BUSINESS LAWYERS編集部)


  1. 企業のコンプライアンス経営への取り組みを強化するため、従業員等からの法令違反等の早期発見・未然防止に資する通報を企業内において適切に取り扱うための指針として定められたもの。平成28年12月9日に消費者庁より改正内容が公表された。 ↩︎

  2. 米国FCPA:Foreign Corrupt Practices Act 1977 主に米国外の政府関係者などに対する贈賄と証券取引法に基づく会計の透明性を要求する規定が定められている。
    英国UKBA:UK Bribery Act 2010 主に贈賄、収賄、外国公務員に対する贈賄、営利組織の贈賄防止措置の懈怠の罪が規定されている。 ↩︎

  3. サービスのご提供には様々な条件や制約が生じますので、詳しくは記事末尾の問い合わせ先にお尋ねください。 ↩︎

  4. 1つの契約期間通報件数が基準件数を超えた場合は、従量課金となります。対象言語外の通報、スパムメールについては基準件数を消化せず、超過時の従量料金は発生しません。詳しくは「グローバルホットライン 多言語対応の内部通報の受付窓口」をご確認ください。 ↩︎

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