サプライチェーン・マネジメントに訪れた変革PR 無限に広がる企業責任に見合うコンプライアンス体制はできているか

危機管理・コンプライアンス
トムソン・ロイター・ジャパン株式会社

事業プロセスが全世界に分散する今日。企業が抱える法的リスクはますます拡大・重層化し、複雑さを増している。法務・コンプライアンスに携わる担当者が担う役割の重要性は、従来とは比較にならないほど高まっている。

たとえば、サプライチェーン・リスク・マネジメントはその代表例だ。従来のサプライチェーン管理と言えば、品質管理や納期厳守、贈収賄や腐敗防止などの国際協調が挙げられただろう。

しかし、今日は、SDGs(持続可能な開発目標)を推進すること、各国政府の動向と関連法を注視し続けること、ブランド管理を徹底することまでがその範疇になりつつある。さらに、常に先読みできない米国の動向やブレグジットの行方、米中間の貿易戦争ともいえるつば競り合いといった刻々と変化する世界情勢にも無関心ではいられない。

これらを把握した上で、地域特有のリスク要因やそれに絡む法的リスク等あらゆる展開を想定し、“次の一手”を打とうとする経営に対して法務・コンプライアンスの知識を用いてリスク度合いを進言することは、企業の事業継続性を担保する上で極めて重要となるだろう。だが、残念ながら少なからぬ日本企業では、これが十分にできていない状況が続いているとの指摘がある。中には、予想もつかない事態に直面し、手をこまねいた挙げ句、事業中断に見舞われるケースもあるようだ。

国際情勢や各国の通商政策に翻弄される企業

今日、企業がサプライチェーン・マネジメントにおいて特に注目しているのは、各国の通商政策の変更に端を発するサプライチェーンへの影響だろう。米中間で繰り広げられる制裁関税発動やNAFTA(北米自由貿易協定)の動向、イラン制裁措置等が世界で同時並行に起こっており、すでに日本も直接的に影響を受け始めている。

こうした事柄は、担当部署のほか、経理部門や経営陣が対処すべき問題だと捉えられがちではないだろうか。確かに、「関税の3%は法人税の30%に相当する」と指摘されるほど、「関税」はグローバル取引において枢要であり、企業の収益に影響する。

だが、ぜひ、サプライチェーンの再編に迫られた場合についても、この問題から想起されたい。特に、新たなサプライヤーの選定や法人格はもとより主要メンバーへのデュー・デリジェンスの徹底などは、法務・コンプライアンス部門が主導して当たるべきことだ。さらに、輸出入の相手先が変わることで、関税減免のための証明や申告手続等で当局とのやり取りや関連法令等の遵守が強く求められることになる場合も考えられよう。

このように、サプライチェーン全体に起こりうる変化を最新の情報から推論立て、先々のリスクを勘案し、対処法をシミュレーションした上で現実的な代替案を得ておくことは、グローバルに展開する企業にとっての競争力の源泉となる。

日本企業がノーマークな関連法令が及ぼす経営リスク

従来のサプライチェーン・マネジメントにおいて、法務・コンプライアンス部門が国際貿易の場で注目してきたのは、腐敗防止や贈収賄に関する各国の法令だろう。当然これは引き続き厳に対処すべきことだ。だが、今日ではそれだけではすまされない。労働環境の改善を怠ったり、人権を軽視するような状況が続いていた場合、企業が防止措置を取っていなかったことに対して、実効性のある措置が取れるような法令が各国で出てきているうえ、多額の罰金や制裁金などが科せられる恐れも生じ始めている。

だが、本当に企業を脅かすのは、レピュテーションリスクによる中長期的な損失だ。生活者の不買運動や株主による集団訴訟、株価への悪影響は経営リスクにも直結する。リスクの管理能力と企業のコンプライアンス意識の有無は、企業そのものの存否を分ける、というわけだ。

模倣品リスクの増大にも法的知識が求められる

製品そのものに内在するリスクも、世界的な技術力向上に伴い膨大になりつつある。高度な模倣品が市場に出回るリスクが高まり、企業収益に影響を及ぼす以上に深刻なリスクを有しつつある。模倣品は、製品によっては人命に関わるような多大な損害を引き起こすことにもなりかねない。企業は、製品の機能や真贋だけでなく、自社のブランドを実践的に管理する取り組みに一層の力を傾けなければならないし、そこには法務の知識が不可欠だ。

どのような要因だろうとも、サプライチェーンが寸断されれば全ての計画に狂いが生じることになる。この課題を目前にリスクを御するには、最新の情報を収集し、現在の世界的潮流を緻密に分析してそれを行動規範に反映することが肝要だ。

特別レポートでは、サプライチェーン上に関するリスクの具体例を挙げつつ、識者のコメントやインサイト等を詳細に紹介している。グローバルビジネスを安定的に推進するための課題整理と対峙法を考える一助としてぜひ活用いただきたい。

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