リスク低減措置としての「記録の保存」

ファイナンス

 マネー・ローンダリング、テロ資金供与対策における、「確認記録・取引記録の保存」について教えてください。

 マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドラインでは、金融機関等は、「本人確認資料等の証跡のほか、顧客との取引・照会等の記録等、適切なマネロン・テロ資金供与対策の実施に必要な記録を保存すること」が「対応が求められる事項」とされています。

 また、犯収法では、確認記録・取引記録等を7年間保存することとされています。

解説

記録の保存・対応が求められる事項(AML/CFTガイドラインII-2(3) (iv))

 金融機関等が保存する確認記録や取引記録は、自らの顧客管理の状況や結果等を示すものであるほか、当局への必要なデータの提出や、疑わしい取引の届出の要否の判断等にも必須の情報です。
 そこで、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン(以下、「AML/CFTガイドライン」)では、金融機関等は、「本人確認資料等の証跡のほか、顧客との取引・照会等の記録等、適切なマネロン・テロ資金供与対策の実施に必要な記録を保存すること」を「対応が求められる事項」としています。

 犯収法では、確認記録・取引記録等を7年間保存することとされています(犯収法6条2項、7条3項)。また、犯収法施行規則32条1項5号では、努力義務として、高リスク取引について、必要な情報を収集し情報の収集・整理・分析を行ったときは、その結果を記載・記録した書面・電磁的記録を作成し、確認記録・取引記録等と共に保存することが求められています。監督指針の改正により、金融機関等は義務としてこれを行う必要があります。

 AML/CFTガイドラインにおいて保存の対象となる記録としては、顧客氏名、住所、生年月日等に係る本人確認資料のほか、「顧客との取引・照会等の記録等、適切なマネロン・テロ資金供与対策の実施に必要な記録」も含まれます。 記録の保存方法については、電磁的記録による保存も含まれます。また、必ずしも写しを保存することを求めているわけではありません。

 記録の保存期間については、一律に一定期間の保存を求める趣旨ではありません。関係法令等を踏まえつつ、各金融機関等の規模や特性、顧客のリスク等に応じて、個別具体的に判断することになりますが、分析可能な形で整理するなど、適切に管理することが求められます。

実務上の対応

 実務上は、①当局から照会を受けた場合に適時に必要な情報を提供するために必要な情報を適時に取り出すことができること、②保存している情報をリスク評価や取引モニタリング等のマネロン・テロ資金供与対策に活用できることが重要です。したがって、データの整理・電子データ化が必要となります。

 この観点で、「本人確認書類」文書管理システム、当局報告(レポーティング)システムなどの導入を検討することになります。  

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