インドの企業と紛争となった場合に選択するべき解決方法

国際取引・海外進出

 インドにおける裁判は時間がかかると聞きます。また、裁判の公正さが気にかかります。紛争解決方法は、インドでの裁判を避け、日本での裁判とした方がいいでしょうか。

 確かに、インド国内の裁判は時間がかかると言われています。もっとも、日本での裁判も問題があります。シンガポールなどの第三国における仲裁を選択することが考えられます。

解説

目次

  1. インドの裁判事情
  2. シンガポールにおける仲裁(裁判以外の紛争解決方法)

インドの裁判事情

 インドの司法は、少なくとも高等裁判所(High Court)以上の裁判所では、外国企業に対しても公平な裁判が期待できると言われています。しかしながら、ご理解のとおり、事件数に比して裁判官が不足しているため、インド国内の裁判は解決までに時間がかかると言われています。

 また、日本とインドとは、これまで判決の相互承認を行っていないため、たとえ日本の裁判でインド企業相手に勝訴判決を得たとしても、インド国内での執行が認められないまたは困難を伴う可能性があります

シンガポールにおける仲裁(裁判以外の紛争解決方法)

 上記のような理由により、インド企業との取引において紛争解決方法を定める場合、裁判以外の方法が選択されることがあります。

 とりわけ、比較的迅速な解決が期待できる第三国での仲裁を選択することが多く行われています。

 インド企業と日本企業の間の契約における紛争解決方法を第三国での仲裁と定める場合、仲裁地はシンガポールが選択されることが多くなっています

 シンガポールはインドと同じくコモンロー(common law)の法体系の国であること、公用語が英語であること、シンガポールの仲裁センターが国際取引の仲裁の経験を多数有していること、地理的に日本とインドの中間地点にあることなどが、その主な理由です。

 日本もインドもいわゆる「ニューヨーク条約」に加盟していますので、仲裁判断は原則として相互に承認、執行すべきこととなっています。

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