マイナンバーに関する書類は本人確認・身分証明書として利用できるか

IT・情報セキュリティ

 個人番号カード、通知カードなどの各種書類を本人確認書類・身分証明書としてどのように利用できるか教えてください。

 個人番号カードについては、表面を番号法以外の目的の本人確認書類・身分証明書として利用することができます。ただし、裏面については、コピーを取ること、個人番号を記録することが禁止されます。
 通知カードは番号法以外の目的での本人確認書類・身分証明書として取り扱うことは「適当でない」とされています。
その他書類の扱いについては解説を参照ください。

解説

目次

  1. 個人番号カード
  2. 犯収法における本人特定事項の確認
  3. 通知カード
  4. 個人番号が記載された住民票の写し
  5. 基礎年金番号
  6. 法人通知番号
  7. その他の身分証明書

目次

  1. 個人番号カード
  2. 犯収法における本人特定事項の確認
  3. 通知カード
  4. 個人番号が記載された住民票の写し
  5. 基礎年金番号
  6. 法人通知番号
  7. その他の身分証明書

個人番号カード

 個人番号カードは、表面に顔写真および基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)が、裏面に個人番号の記載があるカードです。個人番号カードについては、内閣官房のQ&A にも回答があるとおり、表面を番号法以外の目的の本人確認書類・身分証明書として利用することができます。

 ただし、裏面については、コピーを取ったり、個人番号を記録することが禁止されます。市区町村からは、個人番号が見えない(表面はそのまま見える)様式のビニールケースに入れて個人番号カードが交付されますので、番号法以外の目的の本人確認書類・身分証明書として利用する場合は、そのまま利用すべきでしょう。  

【参考:内閣官房のQ&A】

Q3-8 個人番号カードはレンタル店などで身分証明書として使ってもいいのですか。

A3-8 個人番号カードには氏名、住所、生年月日、性別が記載され、顔写真があり ます。このため、レンタル店などでも身分証明書として広く利用が可能です。 ただし、カードの裏面のマイナンバーをレンタル店などが書き写したり、コピーを取ったりすることはできません。
なお、個人番号カードは、裏面のマイナンバーなどを隠すビニールケースに入れて交付されます。(2015年12月回答)

犯収法における本人特定事項の確認

 マネー・ローンダリング防止のための犯罪による収益の移転の防止に関する法律(以下「犯収法」という。)における本人特定事項(氏名・住居・生年月日)の確認の際の本人確認書類として、平成28年1月から、個人番号カードが認められました。運転免許証のような顔写真付きの本人確認書類として、提示のみで本人特定事項の確認が完了します。

 留意をすべき点としては、確認記録に記録する際に、確認記録には「記号番号その他の当該本人確認書類又は補完書類を特定するに足りる事項」(改正後の犯収法施行規則20条1項11号)を記載する必要がありますが、個人番号の収集制限違反となるので、個人番号を記録することができません。もっとも、単に「個人番号カード」と記載しただけでは、「特定するに足りる」とは言えないことから、「個人番号カード」との名称に加えて、発行者及び有効期限についても記録する必要があります。

参考:「犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係 政令の整備等に関する政令案」等に対する意見の募集結果について 87番、152番(PDFファイルのダウンロード)   

通知カード

 通知カードは、表面に、個人番号および基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)が記載された紙面のカードです。
 通知カードの番号法以外の目的での本人確認書類としての利用については、平成27年8月28日に、内閣府・総務省から『通知カード等の本人確認書類としての取扱いについて 』と題する通達が発出されました。

 以下のとおり、この通達では、通知カードは、個人番号カードと異なり、番号法以外の目的での本人確認書類・身分証明書として取り扱うことは「適当でない」とされています。

1 通知カードに関する基本的考え方

通知カードは、個人番号とともに基本4情報(氏名、住所、生年月日及び性別をいう。以 下同じ。)が記載されておりますが、本来、個人番号の本人への通知及び個人番号の確認の ためのみに発行されるものであること、また、法に基づく個人番号の収集制限があることに 鑑みれば、一般的な本人確認の手続において、通知カードを本人確認書類として取り扱うことは適当でないと考えられます。
なお、個人番号カードは、基本4情報が記載された顔写真付きの公的な身分証明書として、 一般的な本人確認の手続においても、本人確認書類として取り扱うことが可能です。

 もっとも、通知カードを番号法以外の目的で本人確認書類・身分証明書等として利用してしまったとしても、直ちに番号法の収集制限違反となるわけではありません。個人番号を書き写したり、コピーを取ったりすること個人番号の収集に当たり、法律で認められた場合でなければ法律違反になりますが、個人番号を見ただけでは収集には当たらないからです。下記の内閣官房のQ&A をご覧ください。

Q16 個人番号カードが身分証明書として利用されると裏面のマイナンバーが見えて しまうおそれがありますが、問題はないのでしょうか。

A16 マイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりすることマイナンバーの収集 に当たり、法律で認められた場合でなければ法律違反になります。ただし、マイ ナンバーを見ただけでは収集には当りません。 ご指摘のような懸念に配慮し、個人番号カードは裏面のマイナンバーなどを隠す ビニールケースに入れて交付されます。

 もちろん、収集制限違反を誘発しやすいので、通達においては、本人確認書類として取り扱うことが『適当ではない』とされているのです(繰り返しになりますが、これだけでは収集制限違反ではありません)。

 仮に、通知カードを身分証明書として受け入れ、かつ、通知カードをコピーしたり、個人番号を記録したりした場合は、収集制限違反になりますので、この場合は、個人情報保護委員会の「 事業者における特定個人情報の漏えい事案等が発生した場合の対応について」 (平成27年特定個人情報保護委員会告示第2号)に従い、番号法固有の規定違反(番号法20条の収集制限違反)として、処理をする必要があります。

個人番号が記載された住民票の写し

 個人番号が記載された住民票の写し等の書類についても、内閣府・総務省の『通知カード等の本人確認書類としての取扱いについて』においては、下記のとおり、番号法に基づく個人番号の収集制限があることに鑑み、一般的な本人確認の手続において、本人確認書類として取扱うことは『適当でない』とされています。
 もっとも、個人番号部分を復元できない程度にマスキングをすれば、本人確認書類として利用できるとされています。実務上は、お客様に対して、個人番号の記載のない住民票の写し等の提出を求め、お客様が個人番号付の住民票の写し等を提出した場合は、マスキングの処理をして受け入れるということになるでしょう。

2 表面に個人番号が記載されている書類の取扱い

表面に個人番号が記載されている住民票の写し等の書類については、法に基づく個人番号 の収集制限があることに鑑み、一般的な本人確認の手続において、本人確認書類として取り 扱うことは適当でないと考えられます(なお、表面に個人番号が記載されている住民票の写し等の書類の個人番号部分を復元できない程度にマスキングすれば、本人確認書類として取り扱うことは可能です。)。

基礎年金番号

 国民年金手帳は、犯収法における顧客等の本人特定事項の確認の際に本人確認書類として用いることができます。この点、マイナンバー法の施行に伴い、基礎年金番号についても利用制限があることが認識されはじめました。

 警察庁は、平成27年11月13日に『犯罪による収益の移転防止に関する法律における顧客等の本人特定事項の確認 の際に本人確認書類として国民年金手帳が用いられた場合の基礎年金番号の取 扱いに関する留意事項等について』と題する通達を発出し、基礎年金番号の取扱いに関しても個人番号同様に留意するように求められるようになりました。

 国民年金法108条の4により同法14条に規定する基礎年金番号の告知を求めること等が禁止されているところ、犯罪収益移転防止法の規定のとおり事務を処理している場合には、ただちにこれらの規定に反するものではないと考えられます。

 犯収法における顧客等の本人特定事項の確認に際して、本人確認書類として国民年金手帳の提示を受けた場合、当該年金手帳の基礎年金番号を書き写すことがないようにする必要があります。この場合において、当該年金手帳の写しをとる際には、当該写しの基礎年金番号部分を復元できない程度にマスキングを施した上で確認記録に添付する必要があります。

 国民年金手帳が本人確認書類として用いられた場合における、確認記録の記録事項である「記号番号その他の当該本人確認書類又は補完書類を特定するに足りる事項」としては、基礎年金番号以外の事項(例えば、交付年月日等の国民年金手帳に記載されている事項)を記載すれば足ります。

法人通知番号

 法人番号(番号利用法2条15項)は、国税庁から通知される書面により法人等に通知されますが、同書面も「官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、当該法人の名称及び本店又は主たる事務所の所在地の記載があるもの」として犯収法上の本人確認書類として認められると考えられますが、こちらも有効期間が定められていないので、取引時確認に使用できるのは、6か月以内に作成されたものに限られます。

 確認記録の記録事項である「当該本人確認書類又は補完書類の名称、記号番号その他の当該本人確認書類又は補完書類を特定するに足りる事項」について、番号利用法上、法人番号は収集等が制限されていないため、法人番号を記録することで足ります。

その他の身分証明書

 顔写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポート、身体障害者手帳等)は、番号法上の本人確認手続の際に1点のみで確認できる身元確認書類として利用できます。

 顔写真のない身分証明書(健康保険証、年金手帳、個人番号のない住民票の写し)は、身元確認のための書類としては2点確認書類の1つとして利用できます(ただし、顔写真付きの身分証明書等がない場合に限る)。

 機微情報に該当する情報は削除すべきでしょう。なお、年金手帳の「基礎年金番号」は国民年金法で利用が禁止されています。

まとめ 各種書類の本人確認書類・身分証明書としての利用

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