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銀行法上の電子決済等代行業の定義

ファイナンス

 銀行法の平成29年改正により新設された電子決済等代行業の制度が開始されたと聞きました。電子決済等代行業の対象となる行為は、法令上どのように定義されているのでしょうか。

 銀行法上、電子決済等代行業については、更新型(改正銀行法2条17項1号)と参照型(同項2号)の2つの行為類型が定められています。いずれの行為類型においても、APIを利用してサービスを実施するケースが改正議論の際の一般的な例として紹介されていますが、制度上は、APIを前提としないサービスであっても広く電子決済等代行業の対象に含まれる可能性があります。

解説

電子決済等代行業の適用範囲の実務上の例については「銀行法上の電子決済等代行業に該当するケース」、電子決済等代行業を営むにあたってのルールの概要については「電子決済等代行業者に課される規制の概要」をご参照ください。

 電子決済等代行業については、以下の2つの行為類型が定められています(番号は筆者が挿入)。なお、本稿では、電子決済等代行業の代表的な例として特に銀行法の平成29年改正に言及しますが、銀行以外の金融機関についても同様の改正が行われている点には留意が必要です。

更新型(改正銀行法2条17項1号)

改正銀行法2条17項1号(以下同号に定める事業を「更新型」といいます)

  1. 銀行に預金の口座を開設している預金者の委託(二以上の段階にわたる委託を含む)を受けること
  2. 電子情報処理組織を使用する方法によること
  3. 当該口座に係る資金を移動させる為替取引を行うことの当該銀行に対する指図(当該指図の内容のみを含む)の伝達を受けること
  4. ③の指図(又は指図の内容)を当該銀行に対して伝達すること

 更新型は、上記の定義のうち、「当該口座に係る資金を移動させる」という内容を含むことからも分かるとおり、利用者の預金口座の残高が実際に変動(更新)するようなサービスが想定されています。

参照型(改正銀行法2条17項2号)

改正銀行法2条17項2号(以下同号に定める事業を「参照型」といいます)

  1. 銀行に預金又は定期積金等の口座を開設している預金者等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けること
  2. 電子情報処理組織を使用する方法によること
  3. 当該銀行から当該口座に係る情報を取得し、これを当該預金者等に提供すること(他の者を介する方法により提供すること及び当該情報を加工した情報を提供することを含む)

 これに対し、参照型は、預金口座の残高の変動を伴うことなく、預金口座に関する情報を利用者に提供する(利用者が情報を参照できる)サービスが想定されています。

法令上電子決済等代行業の対象となるケース

 上記1・2のいずれの行為類型においても、API(他のシステムの機能やデータを安全に利用するための接続方式)を利用してサービスを実施するケースが想定されています。また、スクレイピング(預金者のインターネット・バンキングのログインIDやパスワード等の認証情報を事業者が利用する方法)によるケースも、法令上は電子決済等代行業と位置付けられることになります。

実務上の対応

 今回の銀行法改正は「オープンAPI」などの文脈で、APIを前提とするルールのように紹介されることが多いですが、制度上は、APIを前提としないサービスであっても広く電子決済等代行業の対象に含まれる可能性があります。そのため、実務的には、預金口座に関する取扱いを含むサービスや業務については、電子決済等代行業に該当するかどうかを一度は検討しておくことが有益です。具体的な実務上の適用の可否の線引きについては「銀行法上の電子決済等代行業に該当するケース」をご参照ください。

 なお、改正法に関する背景や問題意識等については、金融庁「銀行法等の一部を改正する法律案の概要」もご参照ください。

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